怒らないから、何に使ったのか言ってみなさい。

昨日より図書館系クラスタの一部で話題になっている件について。
http://homepage3.nifty.com/riyosha/
インターネットでの反応(pdf)
簡単に言うと、「練馬区光が丘図書館利用者の会」という団体があって、これはどうも地域住民が図書館の利用についてコミットしていくために結成した組織らしい。で、練馬区立図書館の貸出履歴保存問題については2008年1月頃にブログやそのコメント欄で議論が積み重ねられてきたのだけれど、その「利用者の会」がweb上の議論を全文転載して一つのドキュメントにまとめ、組織のHP上にPDFでアップロードしており、それに気付いたbibliobloggerの不興を買った、というのが事の次第。関心を持たれた方は、はてなブックマーク - 「練馬区立図書館貸し出し履歴保存」報道に関して: 東京の図書館をもっとよくする会(旧ページ)からリンクされているエントリでも読んでください。
ま、自分のエントリが当該PDFに転載されているわけではないので、激昂はしていない。webに載せた文章は広く流通して然るべきというのが自分の考えでもあるし。ただ今回の件がうまくないのは、当該PDFが何の目的で作成され、どのように活用されることを意図しているのか、判らない点だろう。
貸出履歴をどう取り扱うべきか、「練馬区光が丘図書館利用者の会」の見解は現時点では判らない。リンクされている「東京の図書館をもっとよくする会」は貸出履歴の保存・活用に否定的だが、当該PDFに掲載されているbibliobloggerの意見はおおむね貸出履歴の保存・活用に賛同、もしくは肯定的な見方を示している。
自分の見解はこうだ。第一に、「利用者の会」がどういう見解を採るにせよ、自身が無断転載を禁じているのに他者が作成したコンテンツを無断転載しているのは矛盾した行動だ。第二に、PDFを作成したということはwebにアクセスできない人向けに資料として作成したと推論できるわけだが、「よくする会」の方にはHPからblogへのリンクを貼っているのに、「よくする会」とは異なる意見のblogにはリンクを貼らないという行為には、これら市民団体一般の思想的傾向とも相俟って、何らかの政治的姿勢を感じさせる。blogへのリンクなんぞ大した手間でもないし、読者の利便性を考えたらむしろリンクの方がよいはずだ。第三に、当該PDFは転載のみで構成されており、「利用者の会」自身の見解は表明されていない。転載のみのコンテンツを何の説明もなくアップロードされるのは、転載される側からすれば大変に不快を感じる行為だ。
というわけでタイトルの点に戻る。何に使ったか判らないから、使われた側は不快感と猜疑心を抱くのだ。可及的速やかに、当該PDFについてのHOWとWHYを明らかにするのがよろしかろう。
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