スーパーライブラリアン?

図書館て「場」でしょ。さまざまな機能、さまざまなシステム、さまざまなワークフローが複合的に組み合わさって成立するしろものでしょ。その「場」に勤務する人材をライブラリアンと呼ぶのであってさ。
だったら、スーパーという形容詞をつけるべきは、人じゃなくて個々の技能なんじゃないの?スーパーなカタロギング、スーパーなレファレンス、資料修理、ILL、利用指導、施設管理、エトセトラ、エトセトラ。各分野においてそれぞれ抜きん出たスキルの持ち主がいて初めて、「スーパー○○」という呼称が成立しうるんだと思うんだけど。
一般的な企業で考えてもさ、営業、広報、企画、開発、経理、人事、法務、在庫管理、等々の各分野においてはスペシャリストが成り立ちうるだろうけど、「スーパー会社員」て言われたら、?マークでしょ。『企業戦士ヤマザキ』じゃあるまいし。単騎で何でもできるなら、チームワークの意味がないじゃない。
次代の「館界」がどんな地平を目指すべきかまでは俺にはわからないけれど、図書館内の各種セクションを順繰りに回って10年勤めたって、それで出来上がるのはあくまで「ベテラン」であって、「スペシャリスト」ではないよね。もちろん、多くのセクションを経験することによって全体の成り立ちを概観することは意味があるけれど、そのうえでライブラリアンの専門性をアピールしたいなら、まずは館内における各種セクションの専門性を認めることから始めるべきではないのかな。図書館の仕事って、もっと細かく切り分けられる。
はっきりいって、10年やそこらで「図書館業務、極めたり!」なんて言えるほどこの仕事はちっぽけじゃないし、それぐらいの自負もないのにスーパーだなんて、おこがましくて名乗れないだろ。ファイヤーとサンダーとセイントに申し訳ないわ。
参考:10年の「経験」が保障する司書の能力 - 図書館学の門をたたく**えるえす。