2008年J2第45節・アビスパ福岡−湘南ベルマーレ

シーズンの最後で、アビスパの良いところを出せました。映像はこちら。→http://4media.tv/soccer/club/avispa/

アビスパ福岡3−1湘南ベルマーレ
得点:ハーフナー(36分) 鈴木(48分) 大久保(60分) 坂本(66分)
蜂メンバー
GK22吉田宗弘
DF 3山形辰徳
DF 2宮本亨
DF27丹羽大輝
DF17中島崇典
MF18鈴木惇
MF10城後寿(→布部陽功68分)
MF14中村北斗
MF16久永辰徳(→久藤清一86分)
FW19大久保哲哉
FW20ハーフナー・マイク(→大山恭平89分)
http://www.jsgoal.jp/result/2008/1206/20080200030720081206_detail.html

湘南はよく整えられたいいチームでした。ジャーンは強いしアジエルは巧いし石原は怖いし。菊池も単なる若手という以上に戦力になっていた。それでも、さすがに昇格の可能性がかかった大一番なだけに、見えないプレッシャーや焦りがあったのでしょう。時間が経つごとにプレイに粗さや固さが目立ってきました。もしアビスパが先制してなかったら、これほど差のあるゲームになったかどうか。
先制点は36分。惇のセットプレーからジャンボが折り返してマイクが飛び込みました。マリノスへの返却が濃厚なマイクも、少しは福岡で思い出ができたかな。長身の割に足元を使いたがるマイクですが、このゲームではしっかりとボールを引き出していたほか、フォアチェックもこなしていました。あれでエアバトルが勝てるようになれば、J1でも働き場所があると思うのだけど。
2点目は後半早々、サイドに流れたジャンボからのパスを、惇がミドルレンジから鋭く突き刺して追加点。あのような美しい軌道のミドルシュートを放った惇は本当に素晴らしかったが、湘南としてはなぜあんなにフリーにしてしまったのかと嘆きたいところでしょう。試合全体として、福岡が湘南の守備を完全に崩していたわけではなかったし、局所的な攻撃で勝った場面でうまく点を取れたに過ぎませんからね。
3点目は、山形が右サイドから送ったクロスを、ファーサイドのジャンボがDFと競り合いながらゴール右に流し込んだ。何度もこの形で決めているので、得意な形になってきたのだろう。
攻撃陣もさることながら、この日は守備陣を褒めておきたい。丹羽はいつもどおり守備の要となっていたし、前半の決定機を防いだ吉田は見事だった。そして、90分間集中力を保って攻守に貢献した山形と北斗の2人。相手のサイドアタックを封じるとともに幾度もバイタルケアをこなした山形の守備は効果的だったし、豊富な運動量でボールを拾い、あるいは引き出し、ドリブルを仕掛けた北斗は、シーズン随一の出来でした。2年前の怪我以来ずっと不調だった北斗でしたが、最後の最後で「福岡の一番星」らしい輝きを放ってくれましたね。移籍の噂もあるけれど、ぜひ残って篠田アビスパでシーズンを全うして欲しいところです。
終盤では、退団が決まっているヌノさんと、ヌノさんのために膝の手術を延期した盟友の久藤さんも投入し、ホーム最終試合の締めくくり。ヌノさんは現役続行にこだわってアビスパからのスタッフ就任要請を断ったそうですが、納得いくまでやりきったら、いつかはアビスパに戻ってきて欲しいですね。
今シーズン全体を振り返れば、リティ体制を引きずったおかげでチームがボロボロになったところを、生え抜きの篠田監督が何とか繕った形でした。クラブ運営の癌である都筑社長は相変わらず居座っていますが、せめてサポーターだけは、篠田監督と選手たちを信じていきたいと思います。簡単ですが、これにて。