2006ドイツW杯ベスト16・ポルトガル−オランダ

序盤からボールも人も動いて、面白い展開。パウレタポストプレーからマニシェのシュートでポルトガルが先取点。ここの一連のプレーは良かったよ。これで好ゲームになるかと思いきや、段々と荒れたプレーが多くなり、両陣営とも退場・負傷交代が続出。熱いというより気持ちが入りすぎて、試合そのものが半ば壊れたように思う。結局この1点を守りきってオランダの攻めをしのいだポルトガルがベスト8進出。
オランダについて。何でファンニステルローイを使わずにカイトが真ん中なのか?ニステル使わないならフンテラール見たかったよ。中盤もいまいち働けなかったし、ロッベンファンペルシもこの試合は輝けず。というか大会全体を通してオランダは噛み合ってなかったような気がする。個人的にオランダは注目してるんだが、どうしたんですかファンバステン監督。今回のチームは決して美しくなかったよ。次の大舞台に期待します。
ポルトガルについて。個人技ではオランダと五分のように思ったが、組織力で上回り、順当勝ち。ただ勝利の代償は痛かった。次戦はデコとコスチーニャは欠場、痛んだクリスチアーノ・ロナウドも危ういだろう。相当厳しいと思うが、フィーゴのラストダンスはどんな結末を迎えるか。
審判について。荒れた責任の半分は審判にあるはず。ちゃんとコントロールしてください。
(以下は6月28日に追記)
江橋よしのりのサッカー観戦記: オランダの仕掛けた罠
上記のエントリを読んで、ちょっと納得。ハイティンガがボール返さずにドリブルで突っ込むなど、オランダに挑発的プレイが多く見えたのは、相手を怒らせることで綻びを作ろうとしたがゆえであると。
どうなんだろう、戦術的には決して間違いとはいえないし、いわゆるマリーシアと言われればうなずけるものではある。ただ、オランダがそれをやるってのはねえ。W杯で優勝したことのないオランダが、なぜ強豪とみなされ、優勝候補に挙げられ続けるか。それは、敗れるときでさえクオリティの高い試合を見せ、美しく散ってきたからじゃないのか。頑なに自分たちの美しいサッカーにこだわるオランダに、僕は魅了された。我々と彼らの美意識の違いかもしれないけど、そのスタイル、その思想を貫いて欲しかったよ。
あるいは、その価値観を曲げてでもこのW杯は勝ちたかったのだろうか。それならそれで、文句を言うべきことではないとも思う。僕が見たいのは、そのチームの精神性、魂を体現しつくしたフットボールを見せ、そして勝利すること。オランダが心底勝ちたいと思い、そのために従来のスタイルの枠を広げてああいう試合運びを行ったのだとしたら、それが彼らの新しいフットボール観になるのだろう。フットボールを通しておのれ自身を体現する。僕はそういうチームが好きだし、尊敬するよ。