キリンチャレンジカップ2006 日本代表−トリニダード・トバゴ代表

雑感のみ。オシムジャパンの初陣ということで非常に楽しみな一戦でしたが、今になって思うのは、期待とともに課題も見えたというありきたりな結論。それでもジーコジャパン時代よりははるかに意義のある試合だったとは思いますが。この試合を見たら、ヒデもまた代表でサッカーやりたくなるんじゃないかなあ。ヒデ、戻ってくるなら早いほうがいいぜ?
攻守の切り替えの早さとか、少ないタッチでの攻撃の組み立てとか、フリーランとか、オシムが目指すスタイルが良く現れていたと思う。前半終盤以降はちょっと手詰まりになったシーンも目立ったけど、それまでに見せた戦いぶりが本当に良かった。急造チームでもここまで出来るオシムの手腕に、あらためて賞賛を禁じえない。

GK 1 川口能活(磐田/Cap)
DF 3 三都主アレサンドロ(浦和)→後半40分 FW 17 坂田大輔
DF 2 坪井慶介(浦和)→後半15分 DF 16 栗原勇蔵
DF 4 田中マルクス闘莉王(浦和)
DF 5 駒野友一(広島)
MF 15 鈴木啓太(浦和)
MF 14 山瀬功治横浜FM)→後半11分 MF 8 小林大悟
MF 7 田中隼磨横浜FM
MF 13 長谷部誠(浦和)→後半29分 MF 18 中村直志
FW 9 我那覇和樹川崎F)→後半20分 FW 11 佐藤寿人
FW 10 田中達也(浦和)

日本 2 − 0 トリニダード・トバゴ

「走る」イメージばかりが強調されるオシムサッカーだが、がむしゃらに運動量を多くすれば良いわけではない。適切な時に適切な場所にいることによって、パスコースを増やしたり相手の攻撃を遅らせたり相手の守備に綻びを作るわけだから、意味のない走りは減らさなくてはならない。その判断力があれば多少体力的に劣っていても運動量をカバーできる。もちろんそれでもジーコ時代に比べて走る量自体ははるかに多いわけだけど。個人技とか身体能力ではまだまだ一流国には程遠いと思うので、「人もボールも動く」というスタイルを突き詰めて日本の特性とするオシムの方向性は、自分には非常に心地よく感じられた。「走る」ということについては質量ともに非常に高いレベルをオシムは要求しており、これは代表のみならずJの各チーム、ひいては日本サッカー界全体が、オシムのメッセージとして受け止めていくべきだろう。
オシムの手腕とか采配には文句はないが、実際にピッチでプレーするのはあくまで選手。オシムは魔術師でもメシアでもないし、選手こそが期待に応えるべく技術や判断力を磨いていかなくちゃならない。期待しすぎるのは良くないが、それでもこれからがすごく楽しみになりました。