U21日中韓交流戦・韓国戦

韓国1−1日本
得点:4' PARK Chu-Young(韓国)、64' オウンゴール(日本)
GK:1 松井謙弥
DF:2 千葉和彦、7 田中輝和(71分 17 前田俊介)、5 柳楽智和、3 細貝萌
MF:19 渡邊圭二(78分20乾貴士)、10 本田拓也、13 谷口博之、8 水野晃樹、12 上田康太
FW:11 カレン・ロバート(87分 15 津田知宏

何とも評価の難しい試合だったな、という感想。試合内容そのものは何とも無残なもので、とても日本を代表する選手の「興行」とは思えないものでありましたが、一方で経験の少ないメンバーが主体でしかも家長・枝村・小林らを欠いたほぼ2軍的な面子にもかかわらず、韓国相手にアウェーでドローという結果は健闘であるとも思います。しかしまあ、カレン・水野・谷口・上田らがいるにもかかわらず2軍と感じられるとは、贅沢なものですな。
反町監督は1トップがお好みなのかもしれないが、カレンの1トップはジュビロでもイマイチ機能しておらず、やめたほうがいいだろう。カレンは長身とはいえ基本的には運動量とスピードが売りのセカンドトップ型であり、またこの試合ではトップ下にディフェンシブハーフの本田を配置したことからフォローが足りず、案の定孤立していた。
谷口にしてもJリーグで実績はあるものの、彼がクラブで機能しているのは相棒にレジスタ型の憲剛がいるためで、守備的な細貝との組み合わせではゲームメイクに難がある。これなら上田をボランチにもってきたほうが遥かに有効であるのに、その上田はなぜか左SB。守備力に乏しい上田がSBでは左サイドを狙われやすいのは当然で、左SHに渡辺では攻撃力もさほど期待できない。これなら普通に3-5-2で戦ったほうが選手も迷いがなくて良かったんじゃないだろうか。
試合を見ていて気になったのは、SBからCBにボールを戻すシーンとCBがロングボールを蹴るシーンの多さ。戦術的意図があってそうするならともかく、プレッシャーに抗し切れず戻したりビルドアップできず短絡的にトップに出すのでは、攻撃構築につながらないのは当たり前。味方がボールを持ったら、近傍のプレイヤーは速やかに動いてパスコースを増やすべきだし、また効果的に動くことでマークを引き剥がす必要もある。前方で起点を作ることが出来ないなら後方から組み立てるほかないのであって、どうやって攻めるかという共通意識があまり感じられなかったのは残念です。
ポジティブな点としては、水野のセットプレーやアタッキングサードで発揮されるクオリティの高さ、あるいは高校生の乾のドリブルやパス時の間の取り方でしょうか。特に乾は、今後の活躍が楽しみになる逸材。マリノスに行くそうですが、しっかり鍛えてあげてください。また谷口や上田などJで試合経験を積んでいる面々も局所的には機能している場面がしばしば見られ、試合勘や共通意識の構築がプレーに与える影響の大きさを改めて感じた次第。ホーム韓国戦ではもっといい試合を見せてくれよ。
それにしても、反町・井原・洪明甫が並ぶ両国のベンチにはたまらないものがありますな。