子供たちを取り巻く状況は

正月ということで、両親のほか親戚と久しぶりに会って話す。身内に教職についているものが何人かいるのと、以前にも触れたが僕の母親が保育士をしていることもあって、近頃の子供たちについての話が盛り上がっていた。
まず食事。親が食事の用意をすることが極端に少ないため、保育所や小学校で取る昼食がその日の唯一の食事になっているとのこと。それから小さい子だと保育所内でお漏らししたりすることも珍しくないが、各家庭で用意すべき下着の替えを親が子供に持たせないため、保育士がスーパーに買いに走ったりしているそうだ。聞くと風呂や洗濯もめったにしないらしく、ネグレクトがひどいらしい。あるいは徘徊。小学校の低学年児童で授業中にもかかわらず校庭をウロウロしていて、隣接している保育所の先生から「教室に入らんね!!」と叱られて*1ようやくのそのそと校舎に入っていくのだそう。
中学校では、問題行動を起こした生徒を少し厳しく注意すると、その生徒の親がチンピラ*2で、学校に乗り込んできて先生を居丈高に怒鳴りつけ、学年主任が平謝りして騒動を納めた事があったらしい。また別の生徒は、肩を掴んで説教された際に「そんなことして良いとかいな。教育委員会に言うてやろ。」とのたまい、先生をげんなりさせたとの由*3。他にもいろいろ聞いたが、現場の苦悩は深いようだ。
現場の人間としての印象を聞いてみると、こういった問題児と問題親が多数派ではないが、ひどい親と子の割合が以前に比べて増えているのと、全体の悪質さの度合いが高まっていることは、(あくまで印象にせよ)強く感じるという。
思うに、こういった状況を見たり聞いたりしていると、その人の政治的信条や社会的な立ち位置に関わらず、子供たちを取り巻く状況をどうにかしないといけないんじゃないかという気持ちは、多くの人に共有されるものではないかなと思う。その問題を解決するための処方箋は一筋縄ではいかないだろうが、カジュアルな正義感を持つ人ほど単純で一面的な解決策に絡め取られやすいという前提に立つと、なおさらに混迷の感を深くする。何せその苦悩を吐露する教師の親にして、「細木数子に叱ってもらえばいいとよ。」なんて仰っているのだから。

*1:何年か前に看ていた子供だから

*2:暴力団やヤクザのたぐいでなく

*3:体罰と言えば先生を黙らせられると思っている