2006ドイツW杯準決勝・ポルトガル−フランス

試合そのものは前日ほど面白いものではなかったように思います。テュラムを中心にしたフランスの堅守と、ある程度は崩しながらも決定機までは持ち込めず、あるいは決定機を逃してしまうポルトガルという構図。こういうときはセットプレーが重要だと思うのですが、クリスティアーノ・ロナウド(だったかな?)のFKから生まれたフィーゴのヘディング、ここで決め切れなかったのが最後まで響きましたね。後半から終盤ロスタイムあたりの猛攻も防ぎきられたし。あとポルトガルはファウルアピールが多かったように思う。対するフランスは、これまでスペイン・ブラジルとポゼッション志向のチームをしっかり仕留めてきたわけで、このポルトガルも同様に守備から試合を作り、PKでの1点を守りきった。アンリがいまいちフィットしきれてないようにも思うが、結晶には間に合わせて欲しいな。間違いなく彼は世界有数のアタッカーなのだし。ポルトガルはサイド攻撃や中盤の構成力は非常に優れているので、クロスに合わせるプレーとか中盤を生かすポストプレーに長けたFWが出てくれば、もっと上を狙えると思う。パウレタは良いアタッカーだけどもフィニッシュ以外はさして優れているとも思えないし。似たような悩みを抱えるスペインは、フェルナンド・トーレスがいるぶん期待できそうだが。しかしまあ、こういう強豪国でさえ決定力不足に悩んでいるのだから、日本が決定力ばかりについて嘆くのはちょっと違うだろ。運動量の少なさとか状況判断の拙さとか、そういうところをメディアは議論の俎上にあげるべき。個人技というかオンザボールのスキルは練習することでしか上がらないのだし。話がそれた。ええと、あとフランスはリベリーが非常に良かった。大会後には移籍市場で高値がつくんだろうな。ともあれ、フランスが決勝進出。勝っても負けても、フランスはジダンのラストダンスということで美しい物語になりますね。華やかなキャリアの最後を最大の栄誉をもって締めくくるのか、それとも掴みきれなかった栄光は次世代に託されるのか。