図書館についてのニュース2件

消えそうなニュースなので記録。

盗用多数で販売停止 - 岡山文庫「英語の達人・本田増次郎」小原・元 総社市図書館長著
 県出身の明治時代の英文学者の生涯をつづり、日本文教出版(本社・岡山市)から7月末に出版された岡山文庫『英語の達人・本田増次郎』=小原孝・元総社市図書館長(62)著=に、東京都の個人研究家の著作から盗用した部分が多数あることがわかり、同社が、著作権法上問題があるとして販売停止し、書店などから回収を進めている。小原さんは「本を書くのは初めてで、著作権を深く意識していなかった」と謝罪。同社は「今後は細心の注意を払い、再発防止に努める」としている。
 本田増次郎(1866〜1925)は旧中央町(美咲町)出身で、高等師範学校(現在の筑波大)教授などを務め、児童文学「黒馬物語」などを翻訳した人物。小原さんは県立博物館副館長だった2000年11月、同館で増次郎に関する展示を行ったのをきっかけに資料収集。昨年7月から今年2月までかけ、その生涯を156ページにまとめた。
 盗用があったのは、会社員長谷川勝政さん(58)が自費出版した「知られざる本田増次郎」など2作からで、長谷川さんによると、出典を明記した引用部分以外に、明記しない盗用が8行以上あるページは40ページに上った。
 長谷川さんが、夏目漱石の「吾輩は猫である」が「黒馬物語」から「着想を得ていたとしても不思議ではない」と推測した一節を、「ヒントを得たと考えられる」と断定調で書くなどしていた。
 長谷川さんは増次郎の親類にあたり、展示を通じて知り合った小原さんから昨年7月、電話で「写真と資料を貸して欲しい」と依頼を受け、出典の明記を条件に許可。その後連絡はなく、本が届いて初めて盗用がわかったという。
 長谷川さんは「心血を注いだ作品をこのように用いられ非常に残念。このようなことは二度と起こってほしくない」と嘆き、小原さんは、「本人にかかわる事実は変えようがないので大丈夫と思いそのまま使用した。申し訳ないことをした」と話している。
 日本文教出版の「岡山文庫」は1964年から出版しており、県の自然と文化など、全体を通して県の百科事典の構想をもつシリーズで、本作は242作目。県内の書店に183冊出したがすでに書店で34冊が販売されたという。
 同文庫の回収は今回が初めて。同社の担当者は、「これまで著者に口頭で確認するぐらいで、原典との照合などは行っていなかった」といい「今後はこのようなことがないよう確認作業を徹底する」としている。
(2006年8月30日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/okayama/news001.htm

図書館長まで務めた方が著作権に無頓着だったっていうのが何ともはや・・・。

県境を越え、72図書館が連携▽三原−柳井まで貸し出しOK
 広島市を中心に、三原から柳井地域まで「広島広域都市圏」を形成する広島、山口両県の十一市十二町の全住民を対象に、圏域内の市立と町立の七十二図書館が九月一日から、図書の貸し出しを始める。日本図書館協会(東京都中央区)によると「都道府県境を越えたサービスの連携は珍しい」という。
 利用カードを作った図書館であれば蔵書を借りることができる。原則として借りた図書館へ返却する。蔵書数は計約四百五十万冊で、広島県立図書館(約六十四万冊)の約七倍に当たる。
 すでに、呉など四市町が利用者の住所を問わず、十四市町が周辺住民に貸し出すなど広域利用が進んでいる。「生活圏も広がり、住民に同じサービスを」と、十三市町でつくる広島広域都市圏形成懇談会が拡大を呼び掛けた。同懇談会事務局は「原爆や郷土史関連など市町独自の蔵書もある。遠くで借りても返しに行くなどマナーを守って利用してほしい」と呼び掛けている。(岡田浩平)

 二十三市町は次の通り。(府中、上関両町に町立図書館はない)

 市=広島、呉、竹原、三原、大竹、東広島、廿日市(四日から)、安芸高田江田島、岩国、柳井▽町=府中、海田、熊野、坂、大崎上島、世羅、安芸太田、北広島、和木、周防大島、平生、上関
OpenId transaction in progress

面白いサービスだと思うんですけど、借りた図書館に返却というのは不便だなあ。どこでも返却可能にするか、せめて最寄りの館で受け渡しができるようになればかなり便利でしょうね。物流コストさえ何とかできれば、事務的手続きは乗り越えられると思うんだが。