飲酒運転に関するいくつかのニュース

個々のニュースについてエントリを起こす余裕が無いので、まとめてコメントします。見た人がそれぞれに考えていただければ。

体重60キロの男性がビール大瓶1本を短時間に飲んだ場合、血中アルコール濃度がゼロになるには4時間必要。理論上は2本飲めば8時間が必要になる、という。
ただ、講座をまとめてきた恒成茂行教授(法医学)は、こう力説する。
「数式で時間の目安を示すことはできるが、絶対ではない。深酒すれば24時間後でも残る可能性はある」
航空業界には乗務前の飲酒をめぐる内規がある。日本航空全日本空輸は出発時刻の12時間前からの飲酒を禁じる。米国にならって「8時間前」と定める国土交通省の通達より、厳しい。
http://www.asahi.com/national/update/1003/TKY200610030066.html

これはもう、ある種の人々にとって平日の夜にお酒を飲むことは非常に厳しいということを認識すべきでしょうか。僕は電車通勤ですけど、車で通勤するサラリーマンのうち、出勤12時間前に帰宅できている人なんて少数だと思います。仕事の疲れを癒すのに、お酒以外の楽しみを見つけなければなりませんね。

千葉県は2日、本庁勤務の男性副主幹(50)が酒気帯び運転で県警に摘発されたと発表した。県は、事実関係や違反の程度などを確認次第、厳正に処分するとしている。
県や県警によると、副主幹は9月17日、同県南房総市の神社で開かれた祭りに参加し、午後5時ごろから同6時ごろまで神社周辺でビール大瓶2本を飲んだ。その後、自家用車で帰宅途中の18日午前零時10分ごろ、検問を受け、交通切符(赤切符)を切られた。呼気1リットル当たり0.16ミリグラムのアルコールが検出されたという。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2006100200871

他のソースが見つからなかったため詳細がわかりませんが、上記報道を見る限りでは、飲酒後6時間を経過しても酒気帯びの基準に引っかかったということになります。1リットル当たり0.15mg以上という基準は国際的にも厳しいほうであるという事実を踏まえ、飲んだ後仮眠を取るなりして酔いを醒ましてから車に乗るという行動も、今後は避けるべきかもしれません。

居酒屋で飲酒運転を注意されたことに腹を立て注意した男性を殴ったとして、福岡県警直方署は1日、暴行の現行犯で自称、福岡県鞍手町中山、無職、中川義文容疑者(62)を逮捕した。調べでは、中川容疑者は同日午後9時ごろ、鞍手町の居酒屋で、飲酒運転を注意した常連客の男性(57)の顔を平手で殴った疑い。
酒に酔って来店した中川容疑者が「飲食した後、車で出掛ける」と話したことから、店側は酒の提供を拒否。同容疑者が店内で暴れたため、常連客が注意して帰宅するよう促したところ殴られたという。
居酒屋の前には中川容疑者の車が止まっており、飲酒運転で来店したとみられる。
産経ニュース

・・・頭が痛くなります。還暦を迎えて精神も幼児退行したんでしょうか。擁護しようがありませんね。これ以上福岡の恥を増やさんといてください。店側は酒の提供をきちんと断ってるのになあ。

東京都東村山市で散歩中の主婦が飲酒運転の車にはねられ死亡した事故で、東京地検八王子支部は2日、運転していた同市久米川町1丁目、塗装業白戸葵容疑者(26)を危険運転致死などの罪で起訴した。
白戸容疑者は業務上過失致傷容疑などで逮捕されたが、「カーブに入る際、ドリフトして同乗者を驚かせようと思った」と話しているといい、同支部は「あえて高速度で走行した」と判断、危険運転致死罪を適用した。
起訴状などによると、白戸容疑者は9月12日午前4時40分ごろ、市内の居酒屋やバーで友人と酒を飲んだ後に乗用車を運転、自宅近くの緩い左カーブを曲がりきれず、夫と橋の上を散歩していた同市秋津町4丁目の主婦谷村信子さん(当時68)をはね、死亡させたとされる。
http://www.asahi.com/national/update/1002/TKY200610020349.html

東京都東村山市で12日未明、散歩中の主婦、谷村信子さん(68)が車にはねられ死亡した事故で、警視庁は27日、ドライバーが飲酒運転と知りながら同乗していた同市内の男(26)を道交法違反(酒気帯び運転)幇助(ほうじょ)容疑で書類送検した。飲酒運転による悲惨な事故が相次いでいるが、信子さんの夫、誠さん(70)は「車は走る凶器。同乗者には飲酒運転をとめる義務があった」と怒りをあらわにしている。
東村山署の調べでは、男は11日午後11時ごろから12日午前4時すぎまで、塗装業、白戸葵容疑者(26)=同法違反などで逮捕=と市内の居酒屋やスナックで焼酎のお茶割りなどを飲んだ後、白戸容疑者が酔っていることを知りながら、白戸容疑者が運転する車に同乗した疑い。
男は白戸容疑者宅に泊まりに行く途中だった。「先輩(白戸容疑者)から『行こう、行こう』と誘われ、つい乗ってしまった」と話しているという。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/m20060928014.html

同じ事件を扱った報道で、上は運転者本人が、下は止めなかった同乗者が罪に問われたニュースです。この事件そのものがあまりと言えばあまりですが、同乗者は自分自身のために、たとえ先輩といえども運転を止めさせるべきでしたね。

あの夜。時計の針が午後8時を回り、淳子さんが「早く来なさい」と携帯電話にメールを送ったら、「はぁぃ」と返信があった。事故に遭ったのは、その10分後。後頭部を強く打っての即死だった。
警察署の遺体安置室。芳寅さんは思わず声を荒らげた。検視の時に服を脱がされたまま、再び着せられることなく透明の袋に入れられていたからだった。「皆さんに娘はいないのですか」
棺(ひつぎ)に遺体を納めた後、淳子さんは湯にひたしたタオルで髪についた血を丹念にぬぐい、リンスをしてあげた。それが娘の自慢だったから、どうしてもちゃんとしてあげたかった。
相手は、左官業の男(25)だった。作業後の棟上げ式で缶ビール3、4本を飲んだ後、バイクにまたがっていた。夜なのにサングラスをかけ、時速30キロ制限の市道を90キロ以上の猛スピードで暴走していた。
半年後、所轄署の交通課長と担当者が自宅を訪ねてきた。男も大けがで入院したため事件処理に時間がかかったこと。事故直後、治療が優先され、飲酒検知が行われなかったため飲酒運転では立件できないことを聞かされた。
驚くことがほかにもあった。淳子さんが、「危険運転致死罪になるのですね」と尋ねると、2人は口ごもり、「(同罪は)二輪は適用外です」と言った。「えっ」と言ったきり、芳寅さんも、淳子さんも、しばらく声が出なかった。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/insyu/fe_in_06092001.htm

今回取り上げた中では一番驚いたニュースです。二輪は危険運転致死罪にすら問われないのですね。確かに四輪自動車とは違う乗り物ですが、高速走行が可能なのだから歩行者にとってはやはり凶器です。こっちこそすぐに改めるべきでしょう。

さて、ニュースの羅列ばかりではなんなので、警視庁による交通事故発生の統計(pdf)にリンクしておきます。36ページに書いてありますが、平成17年の飲酒運転による交通事故は1万3875件でした。平成7年は2万2346件、平成12年は2万6280件ということなので、少なくともここ5年間で飲酒運転事故そのものは激減したということくらいは言えそうです。昨今の飲酒運転に関する報道は、いささかヒステリー気味ではないでしょうかね。

宮崎県警都城署は3日、道交法違反(酒気帯び運転教唆)の疑いで、宮崎県都城市の運転代行業の男(55)を逮捕した。調べでは、男は9月29日午後6時半ごろ、都城市の運転代行アルバイトの男(59)=同法違反の疑いで逮捕=が酒を飲んでいることを知りながら、代行業の車を運転させた疑い。
アルバイトの男は自宅で朝から焼酎を飲んでいたが、代行業の男が呼び出し、仕事をさせた。代行業の男は「飲酒していることには気付かなかった」と容疑を否認しているという。
アルバイトの男は29日午後6時50分ごろ、都城市内で追突事故を起こし逃走。30日に逮捕され、事故時に酔っていたことを自供した。
何のための代行業!?酔っ払いのバイトを派遣、事故:ZAKZAK

記事のタイトルどおりですね。ちゃんと仕事してくださいな。以上、コメント終わります。