U21日中韓交流戦・中国戦

日本2−0中国
得点:梶山 平山
国立競技場 21,190人
GK:西川周作
DF:一柳夢吾伊野波雅彦(C)、青山直晃
MF:増田誓志(75分枝村匠馬)、中村北斗梶山陽平(89分谷口博之)、青山敏弘(89分上田康太)、本田圭佑
FW:平山相太苔口卓也(88分前田俊介

サブ:松井謙弥千葉和彦本田拓也水野晃樹カレン・ロバート

反町ジャパンの国内初戦。北京五輪を控える中国はA代表以上の強化をこの五輪代表に向けているが、8月に続いてまたも日本の完勝となった。まあはっきり言って中国代表は粗雑過ぎる。東アジアでは明らかに日本と韓国が抜けたレベルにあるが、こういう試合を繰り返していては中国が日韓に追いつくとは思えなかった。局面を切り取って見ると、玉際の競り合いにおける執着心や素早い寄せなどで見るべきところもあったのだけれど、全体としてラフプレーが多く、フィジカルの強さを別方向に生かしている印象。こういうサッカー文化の国とやっても、日本の強化にはつながらないだろう。
さて日本代表についてだが、3−5−2と言うか3−6−1と言うか、A代表同様フォーメーションに拘泥しない戦術を志向しているのだろう。まず良かったのは本田。もともと攻撃センスは卓抜しており、一方で守備に多少不安というイメージがあったが、この試合では上下動をしっかりこなし、体を張って守備に回っていた。そして高精度かつ長射程のパスと、剛柔取り混ぜたシュート技術。強いフィジカルを生かしたボールキープ。この日のベストと言える働き振りを示した。A代表のサウジ戦、呼ばれるんじゃなかろうか。ていうか呼べ。
他に良かったのは梶山。彼もまた守備より攻撃にその能力を期待された選手だったが、この日は守備でも積極的にボールに絡み、運動量豊富で、ゴールシーンはもとより攻撃面でも高いパフォーマンスを見せていた。とはいえ梶山は本田以上に期待され、またそれに劣らぬスケール感を披露してきた選手なのだから、この程度で満足してもらっては困る。アジアレベルならもっと圧倒的な存在感を示して欲しいものだ。
守備面ではやはり西川・青山直が良い出来を見せており、また伊野波・一柳もかなり安定したプレーで、安心して見ていられた。アンカー的に位置する青山敏も高い危機察知能力で相手の攻撃をシャットアウトしていたし、合格点だろう。一方で、攻守が切り替わった後のビルドアップに多少不安というか、ロングフィードの精度を高めるか味方アタッカーを素早く捕捉することを意識しないと、世界レベルでは苦しむことになると思う。守備的選手がどれほど攻撃センスを発揮できるかは現代サッカーにおける重要な要素であり、スペシャルな敵アタッカーと向かい合う以上、こちらは攻撃をしのぎつつ、DFのポリバレンスによって堅守の綻びを突く必要があるだろうから。
我が蜂軍からは北斗だけが出ていたが、惜しみない運動量でサイドの上下動をこなし、攻守ともに高い献身性を見せていたと思う。内に絞って守備のカバーリングに入るシーンもあったが、クラブでのSBやボランチの経験が生きていた。タイプとしては水野とも内田篤人とも少し違い、むしろ加地さんとかハユマに近いんじゃなかろうか。まだまだクオリティでは及ばないけど。中国戦でフル出場したせいで疲労も溜まっているだろうけど、アビスパもまだまだ厳しい状況なので、テンションを落とさずがんばって欲しい。アシストは、まあラッキーでしょw。
U21代表の次の試合は、11月14日と21日、アウェーとホームで韓国戦。