酒の上のあやまち

判決の趣旨は、「管理職の地位にあった原告が、職場の費用で設けられた酒席で、上司に対して暴言。それを理由に降格処分とされたことは適法」というもの。1月19日に札幌高裁(末永進裁判長)で出された。
判決文などによると“荒れた”宴会が開かれたのは、2004年7月と8月。
当時、職場の総務部長だった原告は、7月の酒席の2次会で酒の勢いもあって、仕事に対して自分とは異なる意見を持っていた上司に対して暴言。
「今までのような発言をしていたら、後ろから石をぶつけられるぞ。お前の後継者の立場や家族の将来もないようにするぞ。死んでも葬式に出る職員は一人もいないぞ」と発言した。
翌月の酒席では、別の上司にも「お前は辞めろ」などと発言し、十数分間にわたって激しい口論となった。
そのため、12月に出された人事で、「管理職としてふさわしくない」と、4階級の降格処分となり「総務部長」から「係長」になった。
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200703070017a.nwc

いやいや、普通に考えたら酒席だから暴言が許されるってことはないでしょう。無礼講ってのは「ざっくばらんにいこう」という程度の意味であって、実際に無礼なふるまいをしてよいとは誰も思いませんて。ましてや、家族に対する物言いなんて、脅迫とか中傷にも受け取れる言葉じゃないですか。よほど親しい友人でもなければ、僕はちょっと許せないと思います。
この発言の主は総務部長ということですから、暴言を受けた相手の上司となると専務とか常務、取締役クラスになるでしょうか。そういった経営幹部の立場からすれば、こんな危ない発言をする人間を管理職には就けておけないでしょう。異例かもしれませんが降格は妥当じゃないですかね。

判決について原告は、「こんな判決では、酒の席で何も言えなくなる」と、最高裁に上告中だという。

建設的な批判とかならともかく、どんな暴言でも許される公共空間なんか世間には存在しないでしょうよ。どうしても喚きたけりゃ、自宅に大きな甕でも埋めて「社長のばか!!」と喚くがよろしい。いい歳をして場所を構わず罵詈雑言をがなりたてる人間なぞ、上司にも部下にも持ちたかないです。