はてなサポーター

フットボールクラブにはサポーターという存在がいる。スタジアムでレプリカユニを着て応援したり、選手名をコールしたりする人々。チームの戦績が芳しくないと、試合終了後にスタジアムに居残って怒りの声を上げたり、チームバスを囲んだりもする。
サポーターは別にクラブに出資とかをしてるわけじゃなく、外から見ればただの客と変わらない。けれども、チームの盛衰がもはや自分の一部のようになってしまったサポーターにしてみれば、試合という興行を消費するだけの客とは全然立ち位置が違うつもり。チケットやグッズを買ったからサポーターなんじゃなくて、声と唄でスタジアムを満たし、チームを鼓舞するのがサポーター。ピッチにエネルギーを送り込み、単なるフランチャイズを「ホーム」とせしめ、勝利の可能性を0.1%でも高めようとする。そんな風にチームをサポートする意識を持つ者たちをサポーターと呼ぶ。
翻って、今般のはてなスター騒動について。自分ははてなに思い入れがあるわけではないし利害関係もない。ただのウェブサービスであり、使いやすいと思ったからダイアリーやブックマークを使っているにすぎない。使いにくいと思ったらとっとと退出するだろう。だから、幾人かのユーザーが「自分に断りもなく勝手に変な機能つけないで欲しい」なんて書いてるのを見て、「そんなに嫌だったら移ればいいのに」と思っていたのだけれど。
はてなスターに関するはてなアイデアについて - はてなスター日記
本日頂いているはてなアイデアについて - はてなスター日記
はてなアイデアにお寄せいただいたアイデアについて - はてなスター日記
上記リンクのように多くのユーザーがアイデアに声を挙げ、スタッフがそれに反応している様子を見たら、むしろサポーターとクラブのフロントとの関係に似ているような気がしてきた。
サービスを消費するだけの僕はただの客に過ぎないから、不快を感じたら立ち去るだけ。けれどもはてなには、サービスの在り方そのものに能動的に関わっていこうとするユーザーが驚くほど多いみたい。たぶん彼らは、はてなにとってのサポーターみたいなものなんだろう。明確な自意識のもとにアクティブに振る舞おうとする力は、きっとウェブ文化を高みに上らせる礎となる。そう思えば、はてなに執心するユーザーの気持ちも少しはわかるかも。
以下、岡田武史インタビューより抜粋。

そこがファンとサポーターの違いですよ。サポーターはチームとともに闘うなかで感動を得る。ファンはお金を払って感動を買う。