J2第31節・アビスパ福岡‐東京ヴェルディ1969

アビスパ福岡2−1東京ヴェルディ
得点:アレックス(21分)宮崎光平(59分)永井秀樹(68分)
GK 1神山竜一
DF20山形辰徳
DF 2宮本亨
DF 8チェッコリ
MF11田中佑昌
MF 7宮崎光平(→柳楽智和70分)
MF10久藤清一(→宇野沢祐次76分)
MF18山形恭平
MF16久永辰徳
MF 3アレックス
FW 9リンコン(→長野聡70分)
http://www.jsgoal.jp/result/20070200030520070728_detail.html

夏休みに入ったこの時期、1万7千人の大観衆の中、ヴェルディに競り勝ったことの意味は大きい。まさかホントに3バックのままいくとは思わなかったよ。
この戦術の要は、3CHおよび両SHの組織力。例えば3バックにしたことでDF脇のエリアにスペースが生まれやすいが、アンカーの久藤がDFラインに入ったり、左サイドハーフの久永がチェッコリの横に入って擬似的に4バックを形成し、あるいは右サイドハーフの佑昌やCHに入った光平らが下がってくることで、相手をサンドできる状況を作り、守り切るという寸法だ。3-3-3-1で中盤が厚いから、DFラインまでMFが下がっても中盤に全く人がいないという状況にはならない。無論、リンコンの足元の柔らかさとアレックスの運動量あっての戦術ではあるが。
4バック時よりチェッコリの守備が穴になっていないという声があったが、この守り方だとヒサか久藤か亨のいずれかが大抵はチェコの周りにいるからカバーしやすいのだろう。チェコ自身はボディコンタクトに強いから、競り合いになった場合でも完璧にやられることはない。ただしスピードや技術が突出してる場合は抜かれるだろうが。
リティの采配も今回は良くなっていた。相手が攻撃的にくると見ると、すかさず本職CBの2人を入れ、ファイターの柳楽にはディエゴのマークを、長身の長野には船越のケアを任せた。柳楽は初動位置こそボランチのポジションだが、別にボランチをやらせているわけではなく、あくまで潰し屋として使っている。またウノを前線に入れて攻撃の活性化と前線からの守備を担わせ、後衛への負担を減らした。いつもこれだけ的確にやってくれていればよいのだが。
ただ今の戦術が完璧というわけではない。チーム全体として上下動を余儀なくされるから体力の消耗は激しく、とくにヒサと久藤には相当に負担がかかっている。また前述のようにスピードと技術に優れた相手がサイドのスペースを突いてきたら、こちらの対応が後手に回らされ、4バック時よりもピンチは増えるだろう。これまではSBの上がりを抑えることで最初からスペースを小さくしていたわけだから。2連勝してチームの流れを変えた3バック移行ではあったが、選手の能力の問題を完全にカバーできるわけではない。疲労の問題もあるし、やはりサブメンバーの復調は不可欠だなあ。