相対化は用法・用量を守って正しくお使い下さい

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「相対」主義の人にとっては、事実というものは、証明するものではなくて、運用するもの。検証の結果などは問題ではなく、「仮説が検証を受けたこと」それ自体が、ちっぽけな仮説に無限の運用可能性を与えてくれる好機と考える。勝利というものは相対的なもの。議論に「勝つこと」それ自体も目標ではなく、運用された事実から利益を取り出す際の通過点にすぎない。
http://medt00lz.s59.xrea.com/blog/archives/2008/01/post_584.html

議論の相対化によって、相手の拠って立つ土台ごとこちら側に引き寄せてしまい、無理やり議論のテーブルに着かせるというのはうまい方法。ただ、相対化とは言うなれば思考の軸を揺らがせる行為なので、あまり流行し過ぎるとみんなして液状化現象&地盤沈下を起こしかねない。あるいは訓練なしに宇宙空間に放り出されるようなものだろうか。ニュータイプでもない限り、宇宙酔いに耐えるだけで一苦労だろう。相対化空間を縦横無尽に飛びまわるためには、体内に地球ゴマか何か仕込んでおかないといけないな。まあ、自分の外部にたくさんの灯台を観測できるなら、それでもいいか?「正しく、絶対的な、確固たるモノ」に依拠したがる心性って、たぶん駆逐できないでしょう。