蜂サポ年頭所感

アビスパ福岡について記事を書くことが少なくなった。ご存じのとおり、アビスパのフロントはJサポ屈指の評判の悪さを誇るわけだが、昨シーズンの社長や監督の迷走と、不可解な強化部長更迭劇を目にして以来、確かに自分の中で何かが変質してしまったようである。
J2時代を支えたアレックス・ホベルト古賀誠史の3人も皆いなくなってしまった。自分にとってはピッコリ時代などよりも松田時代の方がよほど印象深く、降格時の千代反田の移籍とも合わせ、チームのサイクルが大きく転換したことをあらためて噛み締めている。今は長野・北斗・城後の成長を見守るぐらいしか楽しみがないが、あるいはこの3人も2009年以降は揃って見ることはできないかもしれない。選手起用についての手腕が皆無の監督の下、彼らが無駄に奮闘を強いられるのを見るのは悲しい。
自分はアビスパを応援する気持ちをまだ持っているが、かつてのような熱心さはもはやない。今のアビスパ福岡というクラブには、「何者かであり続けよう」という気概を感じない。たとえ苦戦続きで黒星が先行しても、「これがアビスパだ!」という意思をピッチで表現してくれれば、無理してもスタジアムに駆けつけようという気になるのだが。
簡単に常勝軍団になれるわけはないし、リーグチャンピオンは常に1チームしかない。多くの蜂サポは、アビスパがビッグクラブを目指す必要はないとわかっていると思う。僕が見たいのは有機体として躍動するイレブンだ。複数の個性が一つに収斂し、組織のタスクを遂行するチームだ。束ねられた意志の美しさはチームスポーツの要。勝ち星ではなく、その戦うプロセスに魅せられて僕らはスタジアムに通うのだ。2008シーズン、一つの有機体となったアビスパを見ることができるだろうか?正直あまり期待してはいない。
噂が先行していた新加入選手が続々と獲得発表されており、今季の陣容は固まりつつある。ともかくも腹をくくって応援はするつもりだ。「サポーターは移籍できない」という古来の箴言を、フィクションと知りつつ、しかし未だに信じている。