2008年J2第5節・アビスパ福岡―愛媛FC

アビスパ福岡2−0愛媛FC
得点:大久保(37分)グリフィス(62分)

GK22吉田宗弘
DF 3山形辰徳
DF 4ルダン
DF 5長野聡(→布部陽功69分)
DF17中島崇典
MF11田中佑昌(→中村北斗79分)
MF 7久藤清一
MF 8タレイ
MF16久永辰徳
FW19大久保哲哉
FW25グリフィス(→黒部光昭65分)

http://www.jsgoal.jp/result/20080200030120080330_detail.html

前夜から降り続いた雨のせいでピッチ状態が良くない中、2トップがともに得点。第5節にして外国人選手が3人揃った最初の試合であり、今シーズンの初完封試合でもあります。結構グダグダだったけど勝ててよかったよ。
まず目についたのは大久保の好調ぶり。高さを生かしてゴール前の制空権争いに存在感を示したほか、相手ボール時には積極的にプレスをかけてボールホルダーを突っついていた。アグレッシブなプレスはグリフィスも同様だけど、こうやって前線が守備に加わってくれると中盤が楽になる。攻守に走り回ったご褒美か、その大久保がセットプレーから右足で合わせ、前半37分に先制点。攻勢に転じた時のサイドへのボールのさばきなど、だんだんとコンビネーションも良くなってきたようで、是非ともこの調子を維持してほしい。
グリフィスの得点は後半17分。高い位置でボールを奪った久藤が、ぺナ角付近からゴール前にパスを通し、うまくフリーになったグリフィスが冷静にネットを揺らした。ゴール後にコアサポの前で「1、2、3、ダー!!」をやっていたが、教えたのは誰だよ(笑)。楽しそうでよいことだが、もっとテンポを落とさないと猪木っぽく見えないぞ。
他に良かったのはボランチの2人。タレイの中盤の守備と配球は出色の出来だったし、攻守で躍動する久藤の姿は間違いなくこの試合のMVPにふさわしいものだった。愛媛が決して好調ではなかったことを差し引いても、後半27分に見せたミドルシュートなど年齢を感じさせないプレイ振りで、多くのサポーターにあらためて実力を印象付けたことだろう。
CBコンビは長野とルダンという高さのある2人。やはり本職が相方だと安心できるようで、長野は前節とは違って生き生きと守備に出ていたし、ルダンの方も高さと強さを見せつけた。このコンビなら、J2では大抵のFWなら制空権を譲ることはないだろう。また、ヌノさんと違ってルダンの守備はリスク回避傾向があり、この辺は賛否が分かれるかもだが自分には好印象。やはり本職CBでないヌノさんの足元は危なっかしいので。
逆にあまり良くなかった点としては、両サイドバックだろう。左SBの中島はまだセットプレーなどで得点に絡んだし攻め上がりも多少あったが、右SBの辰徳はオーバーラップもほとんどなければディフェンスもいささかおぼつかない模様。カバーリングなどで頑張って走っているのは良いのだが、もうちょっとミスを少なくし、攻め上がってクロスを上げる場面を増やしてもらわなくては困る。やはりサイドこそアビスパの生命線なのだから。
サイドといえば両サイドハーフも今節はいまいち。右SHの佑昌は攻撃に工夫がなく、左SHの久永にしてもいささかミスが目立った。センターラインがしっかりしているからまだ何とかなっているが、2トップとボランチが抑えられたら手詰まりになるだろう。SHとSBのコンビネーションで突破するシーンをもっと見たいので、何とか調子を取り戻して欲しい。
守備の不安要素としては、高さと強さでは安心できるが、スピードや技術のある相手に出会った時にどこまでやれるかは未知数。ドゥンビアや佐藤寿人あたりならあっさりブチ抜いてきそうなだけに、油断は禁物だ。また、全体として若手に元気がないことも不安要素。佑昌は先発したが一時期ほどの好調さは影を潜めているし、スタメン落ちした北斗や城後にしても、出場機会に恵まれない柳楽や本田やマイクにしても、ベテランを脅かすようなアピールには至っていない。全体に30代が増えてきたアビスパが昇格を狙うためには、若手が奮起してベテランを押し退けるくらいでなくてはJ2戦線は勝ち抜けない。
何より一番のネガティブな要素はファウルの多さ。すでにタレイは累積警告がリーチだし、昨日はルダンも長野もイエローを貰っている。今シーズンは選手層が薄いだけに、警告欠場によるチーム力低下には敏感にならざるを得ないところ。前述のように、今のところ若手サブメンバーの調子は上がっておらず、それゆえに一気に連敗を喫する危険も大いにある。今節の結果に浮かれることなく、戦力向上に努めて欲しい。
今節の映像はこちらから。http://4media.tv/soccer/club/avispa/
次回ホームゲームは4月12日(土)13時からFC岐阜戦。