読み聞かせ・試験問題・著作権

ボランティア活動をしている人々の疑問に答える「読み聞かせ団体等による著作物の利用について」という手引が、今年5月に公表された。作成したのは絵本の著作者、出版社の4団体で作る児童書四者懇談会。

 同会の植村和久座長は、「この数年、ボランティア団体の読み聞かせ運動が盛んになっている。その中で絵本を手書きで拡大したり、紙芝居化する使われ方は嫌だ、という著者も出てきた」と趣旨を説明する。

 手引では、そうした活動に使われる絵本にも「作者の著作権がはたらいている」として、もとの絵本を改変したり、実演者に交通費を超える報酬が出る場合などは、ボランティアでも作者の許諾が必要だと、著作権法に沿って詳細に説明している。

 利用者から問い合わせが多くなる中で、あくまで「利便性を考えた」はずだった。しかし、窓口の日本書籍出版協会には、数百件の問い合わせが殺到。「読書の楽しさを伝えるため善意の活動を委縮させないか」との声は、関係者を戸惑わせた。

 利用者代表として手引に助言した親子読書地域文庫全国連絡会の広瀬恒子代表は、「この手引によって著作権を初めて意識したボランティアも多く、勉強しなければという機運が高まった。あいまいだった点が明確になったのはいいこと」と評価する。
http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/20060802nt07.htm

利用者に限らず、スタッフでも著作権に無頓着な、あるいはよくわかってない人は多いですね。普通に利用する分には問題はないはずですから、あまり萎縮せずに絵本を楽しんで欲しいと思います。