5ヶ月ぶりの勝利

いやあ、よかったねえ。まだまだちっとも安心できないけれど、久しぶりの勝利の味はすばらしかった。それにしても長かったよ。5ヶ月って本当に長かった。そして布部、バースデーゴールおめでとう。

アビスパ福岡1−0セレッソ大阪
得点:布部陽功(後半8分)
http://www.tbs.co.jp/supers/game/20060923_4006.html

アビスパの持ち味は、鋭いサイドアタックと堅固な組織的守備。それらは松田前監督が3年半という時間で構築してきたスタイルであり、現監督が迷采配を振るっている間はイマイチ有効に機能していなかったが、選手たちの懸命な努力もあってか今節は久しぶりに発揮されていた。もちろん、主力を欠くセレッソ相手に1勝しただけで、戦況が厳しいことは依然としてそのままだけれども。自分たちの持ち味を取り戻せば、ひとまずは戦える。そんな当たり前のことをようやく思い出した、博多の森でした。ああ、本当にうれしい。

福岡イレブンが、5カ月ぶりの勝利でJ1残留戦線に踏みとどまった。4月23日の新潟戦以来、14試合未勝利で迎えたC大阪戦に1−0の完封勝ち。降格危機に立たされた選手がこの1週間、意見をぶつけ合ってチームのバランスを取り戻し、川勝良一監督(48)に就任12試合目での初勝利をもたらした。残り10試合。厳しい状況には変わりないが、C大阪と入れ替わって最下位脱出を果たしたチームが、J1残留へ再スタートを切った。
 5カ月。実に153日もの間、忘れかけていた興奮が球技場を埋め尽くした。福岡イレブンが互いに抱き合い、両肩を震わせた。「この1週間、みんなで話し合ってきたことが、結果につながった。チームみんなの勝利です」。33歳のバースディー決勝弾にFW布部の目元にも涙がにじんだ。
 これが福岡の真骨頂だ。中盤での激しいプレス。素早いパス。そして、サイド攻撃からの切り崩し。後半8分だ。8試合ぶり先発復帰のMF古賀が、得意の左サイドからクロス。MF久藤がダイビングヘッドで折り返したボールに布部が右足を振りぬいた。「個人的にも、絶対に負けられない試合だった」という古巣からのゴールが、4年間のJ2で築き上げた福岡の武器を取り戻した瞬間だった。
 選手の力で生き返った。今季12試合消化後、松田前監督を解任したクラブは、川勝新監督を招へい。得点力不足解消のため、攻撃重視に戦術を切り替えたが、裏目に出た。4バックとダブルボランチ(守備的MF)の6人が一緒になっての守備練習が無くなり、攻守にバランスを欠いた。「悪いときは(守備的MFの)2人が、フラットに位置していた」。そう振り返る川勝監督は、就任11試合で6敗5分けの泥沼に陥っていた。
 残留争いのライバル、C大阪戦を控えた19日、選手は緊急ミーティングを敢行した。「共通理解がズレていた。やらないより、何度もやった方がいい。選手たちが納得するまで話し合ってきた。言い合いみたいになることもあったが、それもよかった」と布部。選手がやりやすい形を川勝監督に直訴し、3日間の非公開練習で修正を図った一戦では、攻守のバランスを取るMF佐伯、ホベルトの姿が戻っていた。神戸時代の02年7月13日以来、1533日ぶりの勝利となった川勝監督も「厳しい状況でも選手が頑張ってくれた」。J1残留へ厳しい戦いは続くが、福岡にとっては自信を取り戻す大きな勝ち点3となった。
http://kyusyu.nikkansports.com/soccer/jleague/avispa/p-ka-tp0-20060924-94325.html

布部陽功選手(福岡):
「(サポーターに叫んでいたのは)最後まであきらめるなみたいな、まだあるぞっていう感じで。あれがずっとやりたくて。あそこへ行って、絶対にゴールを決めて、最後までやるぞってアピールするのをずっと意識していたんで。今日は最低限、自分のプレーができたかなという感じです。周りを生かすプレーというのが自分の特徴でもあるし、僕にボールが入ってきたときに上手く周りが動いてくれたので、スムーズに流れを作ることができたので、いい感じでプレーができました。結果が出たというのが良かったですね。みんなで集まって話すということを重ねてきたことが、こうやって結果に出たということが僕はうれしいです」

千代反田充選手(福岡):
「最後、もう少しだけ頑張れれば楽に試合を終えられたんじゃないかなと思います。(勝ち点3は)でかいです。でかいですね。でもまだ17位なんで、ひとつでも順位を上げられるように、また1週間、今週過ごせたような1週間をすごせるようにやりたいですね。今日は最初はバランスよく守れていたと思うし、しっかりと枚数も残せました。やっぱり、みんなでどうやって取るかということが大事だなということが今日は分かったし、次もこれをやりたいと思います。しっかり我慢できている状況だったんで、先に1点取れれば、もう1点取れると思ってました。相手が前のめりになったらバランスが悪くなるんで、カウンターでもう1点取れれば理想的だなと思ってました。ですから、1−0で守りきろうという考えじゃなくて、ただ無失点でいきたいと考えてました」
http://www.jsgoal.jp/news/00038000/00038379.html