アジアユース準決勝・日本−韓国

U-19日本代表 2-2(3 PK 2) U-19韓国代表
得点者:1' SHIM, Young Sung、47' 森島康仁、105+' 青木孝太、111+' KIM, Dong Suk
監督 吉田靖
GK 1 林彰洋流通経済大学
DF 2 内田篤人鹿島アントラーズ
DF 3 堤俊輔浦和レッズ
DF 4 福元洋平大分トリニータ
DF 5 槙野智章サンフレッチェ広島
MF 7 梅崎司大分トリニータ
MF 8 田中亜土夢アルビレックス新潟
MF 15 柏木陽介サンフレッチェ広島
MF 24 青山隼名古屋グランパスエイト
FW 9 森島康仁セレッソ大阪
FW 11 河原和寿アルビレックス新潟

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サブメンバー
GK 18 武田洋平清水エスパルス
DF 27 香川真司セレッソ大阪
MF 10 山本真希清水エスパルス
MF 14 柳澤隼柏レイソル
MF 26 森重真人大分トリニータ
FW 16 ハーフナー・マイク横浜F・マリノス
FW 17 青木孝太ジェフユナイテッド千葉
FW 20 伊藤翔中京大学附属中京高校

何とか韓国に競り勝った、というところだろうか。体格も技術も優れていて、またずっとコルカタで試合をしていたために環境にアジャストする必要のない相手に対し、よく健闘してくれたことを褒めるべきだろう。
前半。キックオフ直後に日本の左サイドをあっさり破られ、ゴール前でこぼれた球を蹴り込んで、韓国が先制点。最悪に近い立ち上がりで準決勝は始まった。韓国の選手たちは体格も良く技術も高くて、攻撃面では質の高さを感じさせた。一方、日本も攻めの形は作れており、特に柏木・梅崎・森島・内田あたりは好機を作っていたと思う。森島・河原のツートップもそれぞれ決定機に絡んでいたが、激しい雨のせいか得点にはつながらず。
後半。ハーフタイムで堤から香川に交代すると、これが的中。香川が左サイドから内側にドリブルして柏木にパス。柏木は香川のデコイランを巧く使って森島にパスし、森島はフェイクアクションを入れて敵DF網を突破。見事にゴールを決めて追いついた。その後は見てのとおり、前にどんどん出てくる韓国にお付き合いして全体に押し下げられ、中盤より前がロクに機能しないまま攻め込まれ続ける。後半の終わりにはCBの槙野がレッドカードを食らって退場。敵のチャンスを止めるためだから仕方ないファウルだったと思うが、ぬかるんだピッチに加えて数的不利とあっては体力的に持つはずもなく、延長まで含めて圧倒的に攻め込まれることになる。
延長。シンプルにハイボール主体で攻める韓国に対し、散発的に自陣からリトリートしてカウンターを狙う日本。判定なら日本の敗北は間違いないだろうが、前半終了間際に日本の攻撃が実る。梅崎のクロスを敵DFが跳ね返すと、森島が反応してシュート。キーパーが弾いたところを青木が受け、タイミングをズラして放ったシュートは、韓国ゴールに突きささった。見事な逆転劇。2003年のワールドユースで韓国を延長で破ったことを思い出した。あの時ネット中継で見た坂田のゴールには、思わず声を上げたのだっけ。けれども当時はゴールデンゴール方式で、先に得点した日本が勝ちあがったが、今回は延長後半まで試合は続く。後半になってさらに攻勢を強めた韓国に、日本は防戦一方。ペナルティアーク付近でファウルを取られ、FKを決められて再び同点。以後はほとんどサンドバッグ状態だったが、相手の決定力のなさにも助けられて試合終了までしのぎきった。
PK戦。これはもうキーパー林の独擅場だった。映像を見ればわかるとおり、デュデクを彷彿とさせるすばらしい守備を見せ、6本中ゴ−ルを許したのはわずか2本。疲労困憊の日本も半分の3本を外したが、120分の激闘の末、何とか勝利を手に入れた。
内容的には不満も課題も多いが、とにかくこの厳しい試合を勝利して乗り越えた経験は大きい。いまだ優勝したことのないアジアユースで、決勝の相手は北朝鮮。黄金世代ですら超えられなかった壁を越え、日本蹴球史の一頁を飾ってほしいものだ。
(参考動画)
YouTube
YouTube(←本文で触れた2003WY韓国戦)