第34節・ヴァンフォーレ甲府戦

アビスパ福岡 1−1 ヴァンフォーレ甲府
得点:保坂一成佐伯直哉<蜂スタメン>
GK:水谷
DF:吉村、宮本、千代反田、アレックス
MF:久藤、ホベルト、佐伯、薮田
FW:飯尾、布部<蜂リザーブ>
神山、辰徳、柳楽、城後、バロン、佑昌

開場の30分くらい前に博多の森に着いたのですが、いつもより多くの人が並んでいるように感じました。でも観客数は1万4千人ということですし、アウェー側ゴール裏のホーム部分もあまり人が入っていなかったので、いつも来る人が普段より早く来ていたということでしょうね。午前中は雨模様だし風もかなり強くて、寒さに震えて試合開始を待ちました。
さて試合ですが、アップ中に誠史が足を痛めたようで、直前になって薮田がスタメン入り。リザーブ選手の補充は間に合わず、サブは6人のまま試合開始。先日戦力外通告をうけたばかりの薮田・吉村の2人が今日もスタメン入りということで、やはりフロントの判断には首肯できません。残留・降格の双方を見据えるならば、この2人はバックアップとしても残しておいたほうが良いでしょうに。強化策に自信があるのかな?
甲府は昨シーズンに比べて巧くなっていたように感じました。といっても個人のスキルが著しく向上していたということではなく、アウトナンバーオフェンスの作り方とか、パスレシーブ時の姿勢や動き方などで、アビスパよりも知的さを感じたということです。うちの選手たちが技術的にできないわけではないでしょうから、このあたりは監督の指導の差でしょうかね。すくなくとも川勝男塾よりはたけし軍団のほうがオフェンスは見ていて爽快でしょうな。
後半早々に先取点を許したときにはどうなることかと思いましたが、アライール退場後の後半23分、CKのこぼれ球から佐伯がゴールを決めました。夏にアルディージャから移籍して以来アビスパでは批判ばかり浴びてきた佐伯が、今シーズン唯一仕事をした瞬間といえるでしょう。まあこの試合でも得点シーン以外では相変わらずピッチ上の幽霊船だったのですが。攻撃にせよ守備にせよ、佐伯にはもっと積極的にボールに絡んで欲しいんですよね。現状のようにスペースを埋めるだけのアリバイ守備では、プロフェッショナルのフットボーラーとして責任を果たしているとは言えません。別に佐伯に限りませんが、デコイランでマークを分散させたり、ボールホルダーと競り合ってドリブルを阻んだり、オンボール以外でもチームに貢献する術はいくつもあります。要するに「ちゃんとサッカーしなさい」ということなんですけど。
ともあれアビスパ入れ替え戦に進むことができたわけですが、選手もサポもここで気を抜くわけにはいきません。まだJ1残留を決めたわけではなく、ほんの少し生き延びただけです。昨シーズンにグラウシオが残した言葉、「我々はまだ何も手にしてはいない」という言葉を今一度心に刻み、最後の2試合を戦い抜きましょう。卓越した技術も絶対的個性も持たない我々は、ただ知性と組織力とひたむきさを恃むことしかできないのですから。