北京五輪アジア2次予選・日本−香港

日本3−0香港
得点者:平山、梶山、増田
日本スタメン
GK:1 松井謙弥
DF:5 伊野波雅彦、4 水本裕貴、3 青山直晃
MF:18 水野晃樹、10 梶山陽平、6 青山敏弘(84分 15 上田康太)、8 本田圭佑
FW:22 カレン・ロバート(66分 7 増田誓志)、9 平山相太、24 李忠成(46分 14 家長昭博

指揮官が収穫は勝ったことだけと自ら述べているように、内容についてはいまいち評価できない試合だった。
スタメンは上のとおり。アメリカ戦とはDHに青山敏が入ったことだけが違い、3-4-3のフォーメーションを継続。しかしこれは機能していないと思う。前線に人数が集まりすぎて、その後方をボランチやサイドの選手が埋めないと空っぽになってしまっていて、結局はスムーズなボール展開ができなくなってしまっている。3バックを継続するならやはりトップ下を持ってきて3−5−2にすべき。トップ下には増田が適任だが、家長を左サイドに置くなら本田圭をボランチに持ってきて梶山を上げても面白いか。少なくとも中盤に人材が豊富な以上、その人材を活用する方向で戦術を考えるほうがいいと思う。これでは3トップは蓋にしかなっていない。
水野は相変わらず良い。この試合でも傑出した出来。しかし、水野の局面打開能力の高さは良いとしても、この相手ならそもそも個人技で打開する状況はそれほど必要ない。そういう局面に持ち込まずともコンビネーションで崩せなくてはいけない。左サイドの本田圭はアメリカ戦同様輝きを見せていなかった。これならスタメンは家長でよい。またボランチの2人も期待したほどは動けておらず、これなら谷口を使って欲しいと思う。
守備面は相変わらず3バックが良いから失点には至らないが、それ以前の中盤までの守備がいまいちなのと、あわや失点というGKの緩慢な場面についてはきちんと批判されるべき。あとビルドアップの場面では、伊野波のフィードなどはなかなか良かったと思うけれど、中盤が攻守の中継点になっていないという印象。攻撃の形をきちんと作ろうというのなら、梶山はもっと細かく動いて、ボールの預けどころにならなくちゃ。というか梶山の良さにこだわりたいなら、やっぱり上田・枝村など中盤を増やすのが妥当ではないかなあ。
最後にどうしても言っておきたいこと。このチームからは勝とうという意思を感じない。相手に立ち向かう断固たる決意が見られない。熱が伝わってこないのだ。少なくとも今のままじゃ、「戦えるチーム」とは呼べないよ。