川崎協同病院筋弛緩剤事件

川崎協同病院(川崎市)に入院中の男性患者(当時58歳)が1998年11月、気管内チューブを抜かれ、筋弛緩(しかん)剤を投与されて死亡した事件で、殺人罪に問われた元主治医、須田セツ子被告(52)に対する控訴審判決が28日、東京高裁であった。
原田国男裁判長は、須田被告を懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役5年)とした1審・横浜地裁判決を破棄し、懲役1年6月、執行猶予3年を言い渡した。
須田被告は、主治医を務めていた男性患者の回復の見込みが極めて低く、家族の負担になるなどと判断し、98年11月16日、患者の気管内チューブを抜き取った上、筋弛緩剤3アンプルを静脈注射して窒息死させたとして、起訴された。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070228i307.htm

終末期医療というのは本当に難しい。国民大衆の間で合意が図られたわけではなく、また法律によって明確なラインが引かれたわけでもなく、結局は現場だけに難しい判断を押し付けてしまっている。現在では尊厳死安楽死に対する理解もかなり深まってきたと思われるし、早急に立法措置を講じて現場の負担を軽減させるべきではないかと思う。
と一般論を述べたものの、確かこの川崎の事件は内部告発で発覚したんですよね。しかも長いこと病院内で告発が無視されていて、3年くらい後に別件でこの主治医とトラブルになった医師が再び病院長に訴えて、事件が表面化したという経緯だったかと。「独断専行型だったというこの主治医に対して病院幹部が及び腰だったのは、慢性的な医師不足の悪化を懸念してのこと」という報道を、かなり前ですが見たことを覚えています。
何と申しましょうか、呼吸器はずしはまだしも筋弛緩剤投与となると相当グレーな行為だと思うんですけどね。webではあまり議論になってないみたいで。もう関心を引くような話題じゃないのかな。