都知事選を前に

石原都政の評価なんですけど、新銀行東京首都大学東京の2つについては、掲げた理念はともかくとして運営実態についてはあまりいい話を聞かないですね。銀行と大学に目を着けたところは確かにユニークでしたが。ディーゼル車規制についてはなかなか着眼点がよかった。これはまあ評価してよいかと。オリンピックの件はまだ国内候補の段階だし、僕は福岡市民なのでこれは語るべきではないでしょう。あと中小企業方面では評判がかなりいいみたいですね。借換融資制度とか。中小企業庁がやってる資金繰り円滑化借換保証制度も東京都の後追いで始めたそうだから、この辺の石原支持は根強いでしょう。
対する浅野氏の方は、イメージは悪くないと思うんですが、実際の都民の反応はどうなんですかね。政策面で強くアピールできるものがないと、地方と違って勝てないですよ。周囲にプロ市民の匂いがプンプンなんてのは、石原氏に対抗しようとするとどうしてもそういう色も付いてくるからまあいいとして。肝心の行政手腕のほうで、なかなか興味深い情報を目にしました。

巨大開発で3000億円も金をかけてあまり利用されない港を作ったことも問題だ。就任時の県債は6000億円。ところが知事をやめるときには1兆4000億円に膨れ上がっている。借金は増えたのだ。財政難だと職員の給与をカットしたが、浅野さんは退職金1期で約5000万円を3期分手にしている。さらには辞職後に社会福祉協議会会長に納まり、非常勤にも関わらず月に約103万円の報酬を求めたことにも驚いた。「無党派」だからいいということでもない。宮城県政の中身がこれでは「改革」とはいえないだろう。「無党派」=「改革」は言葉のマジックだ。情報公開や警察の裏金問題にメスを入れたのは評価できる。しかし浅野史郎さんには、自民党以上に自民党的な体質があるように思える。
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2007/03/post_a51a.html

それでも「福祉日本一の宮城県をつくる」と公約した浅野県政が福祉においては全国で下位にあり続けたという事実を直視しなければならない。前県政では国保証取り上げがゼロだったのに、浅野県政では2330世帯(05年)に増えている。「ライフワークが福祉」だという浅野史郎宮城県知事の政治は庶民を救いはしなかった。石原慎太郎都知事に反対だからといって浅野史郎宮城県知事に期待できるとも思えない。
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2007/03/post_91e1.html

驚いたことは退職金のこと。知事3期でそれぞれ約5000万円を受け取ったことは職員の賃金カットをしていることと矛盾しないかとまず訊ねた。すると浅野さんは「知事の給与は少ない」と言ったのだった。たしか120数万円だと答えたので、ならば「どれほどが必要だったのか」とさらに聞くと200万円以上と言うのだった。職員の給与はカットするけれど知事は少ないというのだからおかしい。「都知事になれば上げるんですか」と聞くと真っ正面からは答えず。ちなみに現在の宮城県知事は131万円、全国で6位。1位は145万8000円の石原都知事だ。社会福祉費、児童福祉費が全国でも最下位に近いと問うと、どういう数字かわからないという。
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2007/03/post_6b69.html

以上3点、有田芳生ブログから抜粋。宮城に特に縁のない自分には浅野氏のイメージは決して悪いものではなかったのだけれど、これを見るとちょっと首を傾げざるを得ないかな。厚生官僚出身で「福祉の浅野」でアピールしてるけど、それも実態はそうでもないみたいだし。

浅野氏と言えば、宮城を福祉日本一にするとか、情報公開度ナンバーワンとかの惹句がよく知られています。
実際、前述の市民グループも「福祉王国No1.宮城県」と浅野氏のキャリアを誇っていますが、その実態はどうなのか、メディアも全く検証せずに垂れ流しています。

老人ホーム数       42位
老人福祉センター数    35位
身体障害者更生援護施設数 42位
知的障害者援護施設数   35位
老人ホーム定員数     47位
身体障害者更生      35位
知的障害者援護施設定員数 31位
http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=329372&log=20070304

それにしても、浅野氏が当選したら東京都知事で初めて他県の知事経験者ということになるかな?鈴木・美濃部・東・安井はいずれもそんな経験は無かったはず。戦前はまたちょっと事情が変わるけど。