J2第15節・アビスパ福岡‐京都サンガF.C.

アビスパ福岡2−4京都サンガ
得点:宮本(18分)布部(29分)アンドレ(35分)斉藤(43分)アンドレ(54分)アンドレ(66分)
GK 1 神山竜一
DF20 山形辰徳
DF17 川島眞也
DF 2 宮本亨
DF16 久永辰徳
MF 7 宮崎光平(→林祐征62分)
MF 6 布部陽功
MF10 久藤清一(→大塚和征70分)
MF18 山形恭平
MF 3 アレックス
FW 9 リンコン
http://www.tbs.co.jp/supers/game/20070513_4477.html

2点リードを奪うあたりまではなかなか良かった。今度こそ京都に勝って苦手意識を払拭したかったが、今回もかなわず。それどころか4失点の大敗。試合終了後に呆然としてしまったよ。リティの志向するサッカーは守備よりも攻撃に重心があるのであり、松田監督時代なら2点リードの後はしっかり守りきって勝利を手にしただろうが、この試合ではリードを奪った後に足並みが乱れており、その間隙を突かれてあっさりと同点になった格好。後半に入っても攻撃面で立て直せず、後手に回って突き放されてしまった。
まず目についたのは、DFラインでビルドアップができず、ボランチがボールを貰いに低い位置に戻るシーンが多いこと。それに伴って攻撃の起動位置がどうしても下がり、またテンポも遅くなる。するとアタックの中心となるトップ下のアレックスにはマークが複数付いてしまい、効果的な仕掛けの動きができない。アレックスが自由に動けないということは、両SHが単独でアタックを仕掛けることになるが、局面打開能力に欠けるためクロスも上げられないしペネトレイトもできない。ゆえにトップのリンコンもフィニッシュできない。大雑把に書くとこんな感じか。
また守備面では、両SHおよびトップ下の守備意識が低く、ボランチが奔走する場面が多くなっていた。するとバイタルエリアやサイドの深い位置で相手にボールを持たれてしまうので、DFラインに綻びができたところであっさりと敵アタッカーに侵入されてしまう。運動量と組織力を生かした有機的な連携が我がアビスパの武器であるから、選手の足並みが乱れてはその武器も威力は半減する。あらためて書いてみると、負けるべくして負けた感じだな。
改善すべき点としては、最終ラインからのビルドアップが安定すればボランチが下がらずに済むため、攻撃のテンポが早められ、複数の選手でサイドアタックを仕掛けられるし、センターからの縦パスが増えればPA近傍でアタッカーが仕事ができる。また攻守の切り替えを早くしてMF陣が素早く守備に移れば相手の攻撃にかかる流れを弱められ、DFラインであわてることなく敵攻撃陣を迎え撃つことができる。これも書いてみると簡単なんだけど、ピッチでそれを表現するのは難しいな。
佑昌が発熱で欠場したのは痛かった。彼のスピードとクロス、そして高い守備意識は非常に有効だったことを再確認できた。また恭平が昨日は不調で、守備意識がいささか低いように見受けられた。好調時の恭平は激しいチェイシングで敵ボールホルダーにプレッシャーをかけていたが、今回はそれを怠る場面が目につき、ボランチに負担がかかっていたと思う。そのボランチにしてもパスミスがいつもより多く、また相手の急所を突くような縦パスが少なかったという印象。センターMFはサイドに配球するばかりでなくミドルシュートやトップに当てるボールも狙わなくては攻撃を読まれてしまうので、その辺りが単調だったんじゃないだろうか。やはり本田や城後の台頭を待ち望む。最後に毎度のことだけど、チェッコリは早く戻ってきてくれよ。アビスパには本職のSBが必要だよ。
現地で見てると審判はちょっとアウェーアドバンテージを取りすぎな気もしたが、J2ではよくあることだし、そこは試合中に切り替えるべきだった。そういう部分も跳ね返していかないと。まあバックスタンドの客は審判に対しては非難轟々だったけど。
次節は19日の土曜日、ホーム博多の森サガン鳥栖を迎えての九州ダービー。日本サッカー界の恩人デットマール・クラマー氏も観戦に訪れるとのことで、つまらない試合は決してできない。今回の敗戦を引きずることなく、堂々と相手を撃破してほしい。