京都の闇は払われず

京都市は18日、「子どもが病気になった」「親族が死亡した」などとうそを言って05年3月から今年5月までに計4日間、仕事を不正に休んだとして、環境局伏見まち美化事務所の男性職員(35)を停職1カ月にするなど、職員3人を懲戒処分にした。この職員は「子どもの看病」として休んだ日に、別のまち美化事務所の友人を訪ねていたという。市は不正に休んだ分の給与を返還させる方針。
http://www.asahi.com/national/update/0718/OSK200707180034.html

最初に一読した時はニュースの意味がよく飲みこめなくて、「子供の病気とか身内の弔辞を理由にせんでも、休みたいときにはできるだけ有休を認めるのが筋だろ」とか思ったのですが。よく見たら、舞台になっているのが京都市の環境局まち美化事務所なんですね。うーん、これは正直、今までの印象が悪過ぎる。

無免許運転、手数料着服、病欠中の居酒屋経営。
京都市環境局の職員が起こした数々の違法行為の背景には、甘過ぎる勤務実態があった。


【去年9月 せのお直樹市議】
「1日2〜3時間の空き時間ができて、その間、仕事が全然ない」


収集は3時間半だけ。午後2時には終わっていた。
退庁までの2時間半の待機時間は・・・。
記者「自転車を漕いでいます。エクササイズでしょうか・・・。手には、ゲーム機のようなものを持っています」
パチスロに、釣具。私物は持ち込み放題だった。待機時間が、不祥事の温床となっていった。
(中略)
「改革は順調」と、胸を張る市長。
しかし、取材班には、こんな情報が寄せられた。
『ゴミ収集車が、出発してもすぐ戻ってきます。ちゃんと仕事をしているのでしょうか?』
待機時間は解消されていないのか?市長が嘘をついたというのか・・・?
京都市北まち美化事務所で、取材班は、早速張り込みを始めた。
記者「続々とゴミ収集車が集まってきます」
午後1時。ごみ収集に向かうため、車が集まってきた。
記者「午後1時半を回りました。収集に向かいます」
午後1時31分。車が出発したのは、午後1時31分だ。
記者「今1台入ってきたのは・・・。もう帰ってきたんか?5分経ってないぞ!」
なんと、4分後に1台が帰ってきた。
記者「先ほどから5分経ちました。また1台帰ってきました・・・。職員出てきた。何の冗談やねん!!」
1時57分。全ての収集車が帰ってきた。
(中略)
改革が名ばかりだったのは、それだけではない。
私物の持ち込みは禁止されたはずだが・・・。
記者「釣具のお手入れですか・・・」
記者「素振りしてる・・・」
記者「職員が1人出てきましたが、大根を持って戻ってきました。何で大根やねん!!」


http://webnews.asahi.co.jp/you/special/2007/u20070628.html

念のため言っておくと、地方公務員の大半はこんな優雅な労働環境ではないです。当方の近縁にも自治体に勤めてる人間がいますが、前世紀の末あたりから相当に厳しくなってきたそうで。本来なら公共セクターこそ、民間企業に率先垂範してワークライフバランスの健全化が求められてしかるべき、と思っています。
しかしそれにしたって、上記リンク先の記事が事実なら、これは明らかに異常でしょう。大学時代の先輩が京都に住んでいて、前に酒席でそれとなく訊ねてみたことがありますが、「まち美化事務所はわけわからん」と仰っていました。決められた時間の間はきちんと働くのは当然のこと。ましてや、

東京・霞が関の中央省庁で非常勤の公務員として働く人が1万3143人いることが、国家公務員一般労働組合(山瀬徳行委員長)の調査で分かった。非常勤公務員は形式上一日ずつ雇用契約を更新する「日々雇い」と呼ばれ、雇用の不安定さが問題視されている。中央省庁の公務員数は約4万人で、4人に1人は非常勤が占めることになる。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070718k0000m040041000c.html

このように官公庁でも、不安定な状態にある働き手は大勢いるわけです。いなくても仕事が回るのであれば、速やかに退出して、必要なところに予算と定数を譲っていただきたい。抱える業務の量にムラがあり過ぎることが、公務員の実態とイメージの乖離を生んでいるんじゃないでしょうか。