2008年J2第2節・アビスパ福岡―水戸ホーリーホック

アビスパ福岡2−1水戸ホーリーホック
得点:黒部(50分) 西野(60分) タレイ(74分)
蜂メンバー
GK 1 神山竜一
DF14 中村北斗
DF 6 布部陽功
DF 5 長野聡
DF17 中島崇典
MF15 中払大介
MF 8 タレイ
MF 7 久藤清一(→城後寿67分)
MF16 久永辰徳
FW 9 黒部光昭(→田中佑昌58分)
FW25 グリフィス(→大久保哲哉21分)
http://www.jsgoal.jp/result/20080200030220080316_detail.html

第1節はお休みだったので、我がアビスパはこの第2節が開幕。この春に博多の森ネーミングライツレベルファイブスタジアムに改称し、そのお披露目でもある。自分は都合で試合開始ギリギリに行ったのだが、どうやら試合開始前には市長やレベルファイブ日野晃博社長も出席してセレモニーが行われていたそうで、まったくレベルファイブ様々だ。なお先着の小学生100名にはイナズマイレブンの体験版が配布されたとのこと。おれも欲しかった。
さて試合。フォーメーションは4−4−2。助っ人外国人のルダンはインフルエンザでお休みのため、CBには長野が入った。布部のコンバートはいつものリティの迷采配なので今さらどうしようもないが、柳楽や亨には奮起してもらいたいもの。右SBは北斗、左SBは新加入の中島。中盤センターは助っ人外国人のタレイとベテラン久藤。SHは右に中払、左に久永。そして黒部とオーストラリアリーグ得点王のグリフィスが2トップを組んだ。
いろいろと注目点はあるが、大きく変わったのは両SBの動き。昨シーズンは呪いでも掛けられたかのようにSBが上下動しなかったが、今節は中島・北斗がともにしっかりとサイドを突いていた。次に2トップだが、グリフィスはろくにオフの無いまま来日した割には良い動きを見せていたと思う。アクシデントで前半のうちに交代を余儀なくされたが、クロスに際しての敵DFのスキの突き方やボールの受け方などセンスの片鱗は見ることができた。このうえは一刻も早く復帰し、気持ちよく得点してもらって残留を促したい。なにせ6月末までの短期契約だからね。相方の黒部もポストプレイの巧さ、セットプレー時の高さなどで非常に好印象。グリフィスと交代で出てきた大久保にしてもそうだが、今シーズンのアビスパのFWは高さがある。本来サイドアタックを伝統とするアビスパゆえ、前線の高さは大きなアドバンテージであろう。
中盤については、先発の4人とも30代だけあって、実に狡猾というか知的なプレーをする。特に後半に差し掛かった時の中払の頼もしさは素晴らしい。体の入れ方、ファウルの貰い方など、すでに匠の領域だ。助っ人のタレイにしても時機に応じた配球の巧さや広い視野など、司令塔として大いに期待できそう。一方でボディコンタクトについてはいささか消極気味だったが、もともと中盤での運動量と守備も評価されていたので、これは日本のファウル判定に慣れるまでは我慢だろうか。昨日は早速イエローカードを貰っていたし。久藤や久永への信頼感は昨シーズン同様。ただしベテランばかりが出てきてもしょうがないので、佑昌や城後など若手はしっかりとアピールし、ベテランをベンチに追いやって欲しい。
守備陣についてはいささか危なっかしい。北斗は相変わらず守備は軽いし、布部にしても本職CBのような当たりの強さが足りない気がした。長野の実力は疑うまでもないが、サンフのように強力FWを揃えて来られると、対応するのは難しかろう。ここで中盤と合わせた組織力がカギになるのだが、リティは組織を指導する手腕に全く欠けていることを昨年示してしまった。ここは選手間の自主的な連携に委ねざるをえまい。前述のように両SBはしっかりと上下動を繰り返し、攻撃機会を作っていたことは好材料。先取点につながった中島のフリーキックは見事だったし、再三ドリブルで敵陣に侵入し、PKまで獲得した北斗の動きも素晴らしかった。やはり今シーズンは、攻撃時間を増やして守備の拙劣をごまかすというぶっちゃけありえない戦術になろうか。
前半については水戸ペースで試合が動いており、これは水戸の攻撃における組織面が整備されていることもあるが、何よりアビスパの中盤が、相手の先手に立つような守備を構築できなかったことに原因があろう。チェイシングこそやってはいるものの、パスの出し手へのプレッシャーも足りなければ、受け手を捕まえて奪う動きも足りていない。上位進出のためにはセレッソや湘南、山形などに対しても中盤で勝てるかが重要と思われる。
福岡が完勝したとはとても言えないゲームだったが、ベテランの力で後半を引き締める試合運びは、なかなかの安心感。J'sGoalのレポートにもあるように、試合をコントロールする力については昨年を上回っている。課題となるのは中盤を含めた組織的な守備力という、J2の基本にして枢要なファクター。正直ネガティブな要素は満載だが、ひとまずは勝ち点3を得てスタートできたことを喜びたい。仙台・甲府とのアウェーゲームを挟んで、次節ホームゲームは3月30日の愛媛戦。年度末で忙しいけど、必ず行って魂を届けるよ。サッカーのある生活って素晴らしいね。