思い出したこと

喜びも悲しみも呑み込んで、フットボールは続いていく。
このダイアリを開設した当時、ドイツW杯で日本代表は不調の極みにあり、またその2006年という年は、我がアビスパ福岡が1シーズンでJ1から陥落した残念な思い出を残した年でもあった。もともとその前から博多の森には通っていたけれど、観客席で地鶏の炭火焼をつまみながら、いつの間にかチームが自分の一部であるかのように感じてしまっている自分に気付き、その時々に感じたり思ったりした諸々を書きつけておくのに丁度いい切っ掛けだなと綴り始めたのが、このダイアリの始まりだったのだ。

どこで戦っていても、アビスパは確かにそこにある。自分の町に愛するクラブがあり、ともに戦うことのできる喜びを思えば、J2戦線も何するものぞ。恐れたり侮ったりすることはないのだ。ついこの間まで戦っていた舞台じゃないか。もう一度昇り詰めてやるだけさ。
我々は何も失ってはいない。
今日という日を忘れるな - The best is yet to be.

上の文章は入れ替え戦で敗れた後に書いたものだが、1年と4ヶ月経った今でも自分の心情はそう大きく変化してはいないと思う。もちろん自分には本業があり、人生の全てを捧げ尽くしているような熱狂的なサポーターにはかなうべくもないけれど、何シーズンかかってもトップディビジョンに返り咲き、我がクラブの名を高からしめるとともに、より深くより豊かな文化を育みたいという気概を持って、一人の蜂サポとして行動しているつもりだ。
勝てば天国負ければ地獄の言葉どおり、たかがフットボールに日々一喜一憂し、時間とお金を費やすのは、傍から見ればバカバカしいことかもしれない。しかし自分は、このように感情を振幅させうるスポーツがあることを実に喜ばしいと思うし、試合のたびに数多の喜怒哀楽が横溢するスタジアムの風景が、愛しくてならない。フットボールを愛して本当によかった。
そして、喜びも悲しみも背負い込んで、人生も続いていく。