2008年J2第12節・アビスパ福岡−ロアッソ熊本

ハイハイ、J2のドアボーイクラブが通りますよ。もう門番にすらなりゃしないんだから。

アビスパ福岡2−4ロアッソ熊本
得点:大久保(8分)高橋(28,33分)グリフィス(41分)小森田(57分)高橋(72分)
蜂メンバー
GK 1神山竜一
DF14中村北斗
DF 5長野聡
DF13柳楽智和(→山形辰徳46分)
DF 2宮本亨(→ハーフナー・マイク73分)
MF11田中佑昌
MF 8タレイ
MF18鈴木惇
MF16久永辰徳
FW19大久保哲哉
FW25グリフィス(→黒部光昭64分)
http://www.jsgoal.jp/result/2008/0506/20080200030320080506_detail.html

以前と同じなので特に繰り返して書くほどではない。組織力が整備されていないから、たとえ枚数が揃っていても、連動した動きで相手の陣形を崩して攻め込んだり、逆に相手のアタックを押しとどめたりすることが出来ない。個人で守っているから、数的優位な状況にあっても簡単に相手のパス回しに振り回され、初めは人についていても次々にマークのズレが生まれて、フリーになる余裕を与えてしまう。もちろん最終的には個々のミスもあるわけで、高橋のFKによる2点目はともかく、他は柳楽や亨や北斗のミスが失点の直接の原因になっている。どんな選手もミスがゼロの試合というのはあり得ないにせよ、あのような拙いプレイを連発したのは選手の責任だし、ミスが発生しても連動して守り切るような組織力を育ててこなかったのは指揮官の責任。
攻撃面についても同じ。各選手のアドリブのようなコンビネーション以外には組織力が皆無だから、ボールを持ってもどう攻めていいかわからなくなっている。ヒサのようなベテラン選手でさえ状況判断の力がどんどん落ちてしまっており、自ら限定される方向に動くシーンが目についた。アビスパは後方からのフィードが巧くないので、ロングボールの蹴り合いにしてしまったらセカンドボールを拾えずポゼッションさえ落ちてしまう。終盤で鈴木惇がドリブル突破を仕掛けた場面は胸を打つものがあったが、もっと整備されたチームで彼を迎え入れてあげられたら、きっと彼の才能を健やかに伸ばしてあげられただろうに。今年19歳の若武者にチームの光明を見出さざるを得ないというのは、お互いにとって不幸なことだよ。
試合終了後に誰が言うともなく居残り。まあオブリは行動の指針があったのかもしれないが、ゴール裏やバックスタンドの一般サポは自分たちの意思で残っていたよ。で、田部GMだけでなくリトバルスキー監督も初めて出てきていたが、相変わらず自身の采配の何が誤っているのかわからないようだ。チームをチームとして束ねられず、単なる烏合の衆にしてしまったのは、監督の責任。選手に同じ方向を向かせることも、ビジョンを共有させることもできなかった。サポーターは選手を責めたいわけではない。むしろ、ポテンシャルを発揮できずプロ・フットボーラーとしての価値をどんどん落としていく選手たちが不憫でならない。
まともなフロントなら昨年の時点でリティは切っていただろうし、前強化部長の小林氏(現山形監督)を更迭することもなかっただろう。そういう意味ではクラブ経営陣にこそ責任がある。居残ったサポーターは都筑興社長が出てくるよう重ねて要求していたが、居場所がわからないと職員は説明したようだ。あくまで田部GMに説明を任せ、社長がサポーターと直接コミュニケーションを取ることはなかった。なお実際にはちゃんとスタジアムに社長は来ている。


2008年5月6日、レベルファイブスタジアム。試合終了後、スタジアムに残ってクラブへの怒りを表明するサポーターたちを、そっと見つめる都筑興(つづく・こう)社長。 なお、この時サポーターの前に姿を見せたのはリトバルスキー監督や田部GMらだけで、サポーターは重ねて「社長をだしてくれ」と声を挙げたものの、クラブの最高責任者は全てを部下に押し付けて居留守を使ったのであった。
http://rajendra.tumblr.com/post/34001035

J2福岡リティ監督去就は3試合保留 - サッカーニュース : nikkansports.com
さて、試合翌日の話し合いにより、リティの進退はここ3試合の出来に預けられたもよう。今さら様子を見ても彼の采配が変わるわけではなし、サポーターは昨シーズンから数えてもう60試合も「様子を見て」いるのだが、これ以上まだ我慢をしなければならないのか。決断力のないトップのことだから3連敗でもしない限り監督交代はなさそうだし、現下の状況では3連勝してなおかつ第2クール以降も調子を維持しなければ昇格戦線に絡むことすらできないだろう。実質的にアビスパの今シーズンは終わったとも言える。現場のトップと経営のトップにクラブをズタズタにされるとは、なんともやるせない。特に都筑社長は、晩節を汚しましたな。
なお今後の3節の相手は、11日にホームでサンフレッチェ広島、18日にアウェーで横浜FC、そして21日にアウェーでセレッソ大阪と対戦する。サポーターは複雑な気分だね。チームが良い結果を出したら、クラブが悪い方向に行くことが決まってしまったのだから。アビスパの迷走はなおも続く。