貧すれば鈍す

シロクマ先生のエントリを読んで、思い付いたことをメモっておく。
自信をアウトソーシング出来た団塊世代と、それが出来ない氷河期世代 - シロクマの屑籠(汎適所属)
自信を外注できる時代と内製せねばならない時代のどちらが良いかというのはあまり意味がないだろう。生きやすさという面では外注できる時代の方が楽だが、内製を求められる時代に自信を絞り出せる人々は本物の猛者だ。ただ、自信を外部から調達できる時代の方が、幸福の生産量は大きそうな気がする。
イノベーションはポジティブな空間の方が生まれやすいと聞く。ネガティブな言動、あるいは空気と言ってもいいが、そういう雰囲気は創発の阻害要因なのだと。ブレインストーミングでは出されたアイディアを批判しないことが求められるが、これは感情がポジティブな状態の時の方がより視野が広くなり、思考の際に多面的なアプローチが促され、創造性が発揮されるためだ。同様に、ある時代状況下において容易に自信を調達できるのなら、社会の中にネガティブなファクターが発見されても、それに過剰に怯えることなく、より優れた問題解決法にたどり着きやすいのではないか。
「貧すれば鈍す」という古い箴言があるが、ここにおける「貧」とは個人の物質的・精神的な貧しさだけでなく、世の中から豊饒さ、寛容さが失われるような状況も当てはまるのだろう。