専業主婦なかりせば

初めに、僕自身が共働き家庭に育ったため、専業主婦についてよく知らないことを前置きとしておきます。
以前に、役所や銀行など平日昼間にだけ利用可能なサービスは、日中に家人の誰かが、具体的にはたぶん専業主婦がいることを前提としているみたいな話を一部のダイアリーで見かけ、当方もそれについて多少思うところを述べました。そのとき僕は、自分がそれらサービスを利用するにはどうするかについてだけ考えていたんですけれども。改めて思うには、そもそも昼間に開いてるデパートやスーパー、ショップなど、個人消費者を主要な客層とする店舗も、そういった「日中に自由に買い物ができる人々」を消費者として想定しているんですよね。何せ自分が平日昼間に買い物になんか行けないものだから、そういう消費主体について全く考えが及びませんでしたよ。
というのは、不安定雇用をどうにかするためにはワークシェアリングを断行するのかそれとも金融政策で景気回復を狙うべきか云々ということをつらつらと考えていて、「みんなが昼間に働くようになったらサービス業は昼間の客が激減するのでは?」ということに思い至ったからでして。別に詳しいデータを調べたうえで言ってるわけではないですが、仮に専業主婦以外で昼間に物を買う消費者層がいるとしたら、定年でリタイアした高齢者か、土日に働き平日に休むサービス業ぐらいしか思い当たらないんですよね。また同時に、消費者の主な層が専業主婦であるならば、平日日中のサービス業その他における利益や従業員の雇用は、主婦の購買力によって支えられているとも言えるわけで。
今でこそ専業主婦は減少傾向にあるそうですが、高度成長期の最も絶対数が多かった頃は、専業主婦の消費行動の影響ってそれなりに大きかったような気がするんですよ。今だって、高齢者向けサービス業の隆盛については一般紙でも取り上げられているわけですから。もし主婦の購買力に関するデータがいくつか出てきたら、どこかの雑誌で「専業主婦なくして景気回復なし」なんてコピーで特集を組まれたりするんでしょうかね。僕は奥ゆかしいのでしませんけど(笑)。どなたか、CiNiiででも論文を漁ってみてください。
以上、雇用によって消費機会が減る部分について、思いつきだけでエントリにしてみました。