セキュリティを確保するために

以下の話は生半可な知識を基に書いていますので、正確さを求める方は専門書なり用語辞典なりをご参照ください。間違いを指摘するコメントも歓迎です。
僕達が生活する中で、安全性を確保するために施されている、あるいは盛り込まれている技術的な機能や思想というものが、いくつかあります。よく聞く言葉としては、たとえば「フェイル・セーフ」というものがあります。これは、人間がしでかすさまざまな錯誤、ヒューマンエラーに対して、「そのようなエラーが起こっても安全にしてくれる」という考え方です。動いている洗濯機のフタを開けたら自動的に止まるとか、文書を保存せずにワープロソフトを終了させようとしたらダイアログで[保存しますか]と表示されたりするのが、それにあたると思います。
また、「フール・プルーフ」という考え方もあります。端的に言うと「バカでも大丈夫」みたいな感じでしょうか。最初からミスが起こらないように、単純かつ判りやすくデザインしておこうとする設計思想です。電池を入れるボックスの+と−で形状を変えたりすることがそれでしょうかね。
それから、「インターロック」というものもあります。複数の機構が組み合わさったシステムにおいて、ある機構で何か間違った操作や状態になっていたら、その他の機構が正しい操作や状態であってもシステム全体としては動作しないという考え方です。たとえば複数のベルトコンベアがある工場で、後のコンベアが動いていなかったら前のコンベアを動かそうとしても動かないように設計しておき、部品が溜まることを防ぐというようなものです。
以上、前置き終わり。しつこいですが、間違っていたら指摘してください。

飲酒運転による事故が後を絶たない中、運輸業者の間で、飲酒運転防止策に関心が高まっている。注目を集めているのが、運転者の息からアルコールを検出するとエンジンがかからなくなる装置。国土交通省が先月、従業員の飲酒運転を放置した運輸業者への行政処分を厳格化したこともあり、装置の導入を進める交通事故遺族らでつくる市民団体に問い合わせが急増している。
 装置名は「インターロック」。携帯電話サイズのストロー付き端末に息を吹き込むと呼気中のアルコール濃度を測定。一定値を検知するとエンジン発火装置がロックされる。運転中の飲酒も想定し、発車後も不定期で再チェックを求めてくる。
 飲酒運転根絶を目指し、装置の普及に取り組む特定非営利活動法人(NPO法人)「MADDジャパン」(千葉県)によると、米国やカナダの多くの州では、飲酒運転常習者を対象に設置を義務化。カナダでは再犯率が7割以上減ったという。スウェーデンでは2012年からすべての新車に搭載が義務付けられるという。MADDジャパンは、日本でも商用車や飲酒運転累犯者への設置を義務化するよう、道交法の改正を訴えている。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/20060912/20060912_001.shtml

先月下旬に海の中道大橋で起こった事故以来、飲酒運転を批判する声は非常に大きなものになっています。飲酒運転をする経緯なり状況はさまざまで、それを非難するのは当然ですけれども、いくら厳罰化したり啓発運動をしても飲酒運転をするドライバーを根絶することは恐らくできません。法律も良心も、物理的に人間の行動を拘束することは不可能だからです。上記の装置を使えば酒を飲んだ状態では物理的に運転できなくなるので、最終的には全ての車にこういった機能を持たせることを、僕は希望しますね。それに伴うコストがどの程度か判りませんが、自分が飲酒運転の被害に遭うことを考えたら、負担してしかるべきコストじゃないでしょうか。