タイでクーデター

ニュースが多くて追いきれません。いくつか見た中で面白かったのが以下のくだり。

同国で陸軍によるクーデターは15年ぶり。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2006092000015

甲子園かよ。

まあ戦後のタイの政治についてものすごく大雑把に言うと、軍事クーデターと腐敗政党の間で政権が揺れ動いて来たようなところがあるわけで。伝統芸というわけではありませんが、タイにおけるクーデター行動は、その後にスムーズに民政に移ることや、国民に圧倒的な支持を受けるプミポン国王が何とか収めてしまう期待もあり、何というか他国における血生臭いクーデターとは一味違う気がします。タイ大使館のサイトでも「タイ式クーデター」なんて、別物のように表現していますしね。ムエタイをタイ式ボクシングと呼ぶようなものかしら。

絶対君主制から立憲君主制
第一次世界大戦とその後の世界恐慌は、タイに深刻な不景気をもたらしました。1932年、欧州に留学し、民主思想を学んだ一部軍人によりクーデターが起き、絶対君主制から立憲君主制へと移行しました。
当時の国王ラーマ7世は国内の混乱を避けるため外国へ亡命し、替わってラーマ8世が即位しましたが、ラーマ8世は事故のため急逝、王弟のプミポン・アドゥンヤデート殿下が9世王として即位、現在に至っています。現国王の名君の誉れ高いことは世界的にも有名で、96年6月に即位50年を迎えました。
タイ独自の民主政治の形を模索しつつ、タイ式クーデターも現在に至るまで何度も繰り返されていますが、97年9月に民主的な内容を盛り込んだ憲法改正が行われ、今後が注目されています。
タイ王国の歴史

首都の実権掌握と国王への謁見はすでに済ませましたし、「できるだけ早く立憲君主制を回復し、主権を国民に戻す」という誓言も出たようですから、そのうちプーミポン国王が事態を収集するような御言葉を出して、総選挙ということになるんじゃないですかね。
(追記)
今回のクーデターの首謀者であるソンティ陸軍司令官は、タイでは初となるイスラム教徒の陸軍司令官らしいですね。タイはほとんどの人が上座部仏教(いわゆる小乗仏教)だと僕は思っていたので、これはちょっと注目したい。