カリキュラム擬装に決着の気配

高校の必修逃れ問題で、高校3年生を対象にした補習授業を計画中の学校のうち、必修科目を教える先生の確保に四苦八苦しているところがある。
近くの学校から先生を招いたり、校長や教頭が教壇に立ったりすることが検討されており、教師が免許のない科目を教える特例措置を教育委員会に申請する意向の高校も。文部科学省は近く生徒の負担軽減策を公表する予定だが、補習の実施にはなお課題も残りそうだ。
「併設の短大、大学から教師を招くことを考えている」と話すのは、石川県の私立星稜高。「地理歴史」などで必修科目を教えていなかったため、集中的な補習に対応するには、人員の確保が必要という。「情報」の教師が足りなくなった場合、静岡県浜松北高は、学校近くの商業高校の先生に教えに来てもらうことを検討する。
現在の教育職員免許法では、「地理歴史」の免許があれば世界史、日本史、地理が教えられ、1989年以前の「社会」の免許を持っていれば、この3科目に加えて、「公民」の倫理、政治・経済、現代社会の3科目も教えることができる。このため、長野県立長野高は「社会科の教師全員が補習に対応する」。愛知県立一宮南高や福岡県立三池高、私立富山国際大学付属高など複数の学校では、社会の免許のある校長や教頭も教壇に立つ予定だという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061101i101.htm

社会科の教員免許っていろんな学部・学科で取れるもんだから、長いこと供給過剰だったんですよね。自治体の大小にかかわらず余ってるから、採用試験でも地歴や公民は採用1名とか、あるいは募集しなかったりで。僕もかつて教員志望だったんですけど、ちょうど卒業する前後1〜2年は募集ゼロだったから、試験勉強してたのに受験すら出来ませんでした。まあ今の仕事は好きだから、別に僕が気にすることじゃないかもしれない。だけどこういうニュース見ちゃうと、「ちゃんとカリキュラムどおりやってたらもっと採用枠は大きかったんじゃないの?」って思ってしまいます。
学生時代に教員目指して一緒に勉強してた仲間たちは、募集してる自治体を求めていろんな地方に散っていって、そのうちの何人かは縁もゆかりもない場所で教職に就いたという。それは彼らが自ら選んだ道だし、同情とか慰めなんてむしろ失礼なのだろう。ほんの少し採用枠が増えたって、彼らが縁のある土地で職を得られるとは限らない。それはわかってるけど、でも何だか、やるせない気持ちになりますね。

政府・与党は1日、高校の履修単位不足問題で、未履修の生徒に課す補習の上限を70コマ(1コマは50分授業1回)とする当初案を一部緩和し、履修不足が1科目70コマの生徒に限り、50コマ程度の補習で卒業できる救済策で合意した。補習50コマに該当する生徒は7割超を占め、一層の負担軽減を求めていた公明党も同意した。文部科学省は2日、都道府県知事や教育委員会、大学にこうした措置の実施を通知する。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20061102k0000m010101000c.html

これで大筋は決着かな?明日にはまとめてニュースが届くだろう。「2週間のボランティアに従事することで未履修科目2単位に振り替える」みたいな奇天烈なアイディアを密かに期待していたのだけれど、出なかったな。このタイミングなら、強制ボランティアを受け入れる受験生は意外にいたような気がする。