障害者の「つながり」といえば

20日付のエントリでも少し触れましたが、作業所や授産施設に通っている障害者というのは、賃金や訓練といった実利的なものばかりでなく、作業達成によるやりがいを感じたり、他の障害者や施設スタッフらとの触れ合いを通じて社会とのつながりを感じることを求めてもいます。この辺りは解らない人には全くピンとこない感覚のようで、まあ確かに健常者が普通に生活していたら、他人との関わりなんてうざったいことも多いし、収支が持ち出しになってまで作業所に働きにいくという行動は皮膚感覚ではわからないのかもしれません。
で、昨日コンビニで読んだビッグコミック増刊号(3・17号)に、山本おさむ『どんぐりの家〜それから〜』が掲載されていたのですが、タイムリーなことに自立支援法の施行に伴って施設利用を止めざるを得なくなった障害者のエピソードが描かれていました。興味をもたれた方は、読んでみるといいですよ。施設利用者にとって作業所を通じて得られるものがどれほど貴重なのか、理解の取っ掛かりにはなるかと思います。序盤で、ある中年の障害者が「みんなでプラネタリウムに行くのは金がかかるから今後は止めて、花見とか金のかからないものだけやろう」と言って、いざ終盤で通所仲間がやめる段になると「俺たちやっぱりプラネタリウム行くことにしたよ。そしたらまた来るよな。」「嘘をつくな、ここが好きだって顔に書いてあるぜ!!」なんて叫ぶシーンは、あまりにもベタな展開ですが胸に迫るものがありました。山本おさむは本当に良い描線を描くね。
ところで、SF漫画の近年のヒット作の一つに太田垣康男MOONLIGHT MILE』がありますが、太田垣康男山本おさむのところでアシスタントをしていたそうですね。確かに、以前の作品『一平』あたりには影響が濃く出ていそうです。
(追記)セリフ微妙に違っていたので修正しました。