Your time is your money.

厚労相は事務職の一部の残業代をゼロにする「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」制度の意義を説明する際、「工場労働というか、ベルトコンベヤーの仕事、『もう労働時間だけが売り物です』というような、そういうところでなく働いている方々の現実に着目した労働法制を作ることが課題だ」と発言した。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070219i114.htm

議事録から削除されるかもしれないから新聞記事を元に書くけど、これ、そんなに間違ってるんですかね?
ホワ・エグと対比させて述べているから、おそらくブルーカラーとか単純労働者を念頭に置いているんだと思います。で、単純労働者ってのは労働の成果と労働時間が比例するわけで、だからこそ労働時間に応じて賃金が支払われるし、残業したら残業代も出る。つまり「労働時間だけが売り物」という認識は別におかしくないと思うのだけど。
逆にホワ・エグの議論というのは、一部の職種に関しては労働時間に比例して成果が生み出せるわけではないから、労働時間に応じて給料を払うことが常に妥当とは限らなくなってしまっていて、「じゃあ労働時間に応じて残業代を払う根拠って何よ?」ということで議論が積み重ねられてきたんだと思う。
だから、上記の認識そのものに反発するってことは、工場労働者であっても労働時間ではなく別のものを基準として給料を払うのが適当ということになってしまうんじゃないの?そうなると現実的には、給料を算定するのは労働の成果を基準にということになりかねなくて、これはつまり一部のホワイトカラーのみならずブルーカラーまで残業代がエグゼンプトされるという、非常に暗い未来を想像してしまうわけですが。川内博史議員はちゃんとそういうところまで考えて批判してるんですか?
何と言うか、時間当たり賃金という形態で働いている労働者に対して労働時間が売り物と発言したら、「それは労働者に失礼」って、それこそ政治家としてはあまりにもな認識だと思うのですが。僕も時間に応じて残業代を貰っている身ですが、だからってこの発言が失礼とは思いません。
(追記)
もしかして、また「そういう発言をしちゃうことが問題」みたいな話になっていくんだろうか?念のために書いておくけど、今回の発言は国会内で行われたことだから責任は問われませんよ。憲法51条にそう書いてある。そういうことに気を使っていたら、国会内でさえ自由な発言や議論が行われないじゃないですか。いい加減、思想弾圧まがいの批判はよしましょう。